レゾナックHD 2023年12月期通期連結決算
産業ガスを含む化学品は価格転嫁が進み製品販売価格上昇、増益
レゾナック・ホールディングスの2023年12月期通期連結決算は、売上高1兆2888億6900万円(前年同期比7.5%減)、営業損益37億6400万円の損失(前年同期は617億2600万円の営業利益)、経常損益147億7300万円の損失(同617億1100万円の経常利益)、親会社株主に帰属する純損益189億5500万円の損失(同324億2200万円の純利益)となった。
関連するセグメント別概況
【半導体・電子材料セグメント】
半導体前工程材料および半導体後工程材料は、前連結会計年度後半からの半導体市場の低迷により減収。デバイスソリューションは、SiCエピタキシャルウェハーが増収となったものの、HDメディアが前年第4四半期からのデータセンター向け需要低迷が継続したことにより、大幅減収となった。セグメント売上高は3381億2600万円(前年同期比20.8%減)、営業損益は、HDメディアの棚卸資産において、低価法による簿価切り下げや廃棄損を計上し、94億2200万円の損失(前年同期は455億3300万円の営業利益)。
【ケミカルセグメント】
石油化学は4年に一度の定修停止があった前連結会計年度比で数量増となったものの、ナフサ価格の下落により製品販売価格が下落し減収、営業利益はスプレッドの改善等で増益だった。産業ガスを含む化学品は、原燃料価格上昇に対応した価格転嫁が進み製品販売価格は上昇したが、一部製品で数量減となり売上高は前連結会計年度並み、営業利益は利幅回復により増益となった。黒鉛電極は販売数量、製品販売価格ともに前連結会計年度比で下落し減収、営業利益も受払差のマイナス影響に加えて棚卸資産の評価損により減益だった。セグメント売上高は5163億3300万円(前年同期比2.2%減)、営業利益は77億1800万円(同69.0%減)。
2024年12月期通期見通し
2024年12月期の通期見通しは、半導体・電子材料業界における需要および在庫調整の動向は底を打ち回復に向かうと予想。回復しつつある半導体需要を背景に半導体材料等コア成長事業への積極的な設備投資を続けるとともに、引き続き事業ポートフォリオ改革、諸施策を進める。
2024年12月期の通期業績予想は、売上高1兆3300億円(前年同期比3.2%増)、営業利益280億円(前年同期は37億6400万円の損失)、経常利益130億円(同147億7300万円の損失)、親会社株主に帰属する純利益100億円(同189億5500万円の損失)を見込む。年間配当金の予想は前年実績65円を維持した。