エア・ウォーター・メカトロニクス、Rapidus社へ「CMPスラリー調合・供給システム」を納入
原材料容器の自動化ソリューションで半導体製造を高度化
エア・ウォーターグループは、最先端半導体の国産化を目指す Rapidus 株式会社(本社:東京都千代田区、小池淳義 代表取締役社長、以下「Rapidus」)が北海道千歳市に建設する半導体工場(Innovative Integration for Manufacturing 第1棟、以下「IIM-1」)向けに、「CMPスラリー調合・供給システム※」を受注した。
※スラリー(slurry)とは、固体粒子が液体の中に混ざった液(泥)状の混合物を意味し、主に半導体の研磨工程(CMP:Chemical Mechanical Polishing -半導体製造における化学的・機械的研磨)で使用される化学品の一種。本システムは、各種スラリーと薬液を高精度で調合し、安定的に半導体製造装置へ供給する設備。
半導体製造の成膜工程で行われるウェハーの平坦化プロセスは、半導体の微細化や多層化を支える技術であり、技術革新による高精度化が進む分野。エア・ウォーターグループが取り扱うCMPスラリー調合・供給システムは、このウェハーの平坦化を実現するための研磨工程で使用される各種材料を半導体製造装置へ安定的に供給するために欠かすことのできない設備となる。
エア・ウォーターグループは、エレクトロニクス分野において使用される多種多様な特殊ガスや特殊ケミカル品を幅広く取り扱う。また、こうしたケミカル材料を半導体製造装置へ安全かつ安定的に供給するための供給システムや精製・除害装置に加え、半導体製造装置向けの部品や関連機器など幅広いラインアップを取り揃える。
エア・ウォーター・メカトロニクスは、同社が製造・販売を行う「CMPスラリー調合・供給システム」に、原材料容器の自動搬送技術を組み合わせ、RapidusのIIM-1向けに納入する。
この「CMPスラリー調合・供給システム」は、スラリーの液種に応じて、濃度や粒子径を均一化し、安定的かつ高精度に調合できる設備。米国企業との提携による基本技術をもとに、2006年よりエア・ウォーターグループが国内の半導体工場向けに最適な供給システムとして設計・製造しており、多数の実績を有する。最先端半導体工場への導入実績と自動化ソリューションを組み合わせた安定供給体制が評価された。
RapidusのIIM-1は、自動運転やAIなど次世代の産業に欠かせないとされる2ナノメートル(nm)以下の最先端ロジック半導体を製造する施設であり、2025年4月にパイロットラインを稼働、2027年には量産を開始する計画。