パリ2024オリンピック・パラリンピックの公式車両「トヨタMIRAI」に新コスモス電機の水素ディテクタ搭載

500台が大会関係者やアスリート、ボランティアに提供、大会終了後にはタクシーとしてパリ市内で利用

 トヨタ自動車は、パリ2024オリンピック・パラリンピック大会へ持続可能なモビリティとして水素を燃料とするMIRAI(FCEV)を500台、大会関係者はじめアスリートやボランティア向けに提供した。大会終了後にはタクシーとしてパリ市内で利用される。

 新コスモス電機は、トヨタ自動車が2020年12月から販売を開始した燃料電池自動車「MIRAI」に搭載する水素ディテクタを供給している。

トヨタ「MIRAI」に採用された水素ディテクタ
トヨタ「MIRAI」に採用された水素ディテクタ

 新コスモス電機は、従来から独自の水素選択性に優れたセンサを開発しており、各種ガス検知器、警報器に採用されている。水素ディテクタに使用されている接触燃焼式ガスセンサは、同社が独自に開発した触媒技術によって高応答と高耐久を両立させ、また家庭用ガス警報器の製造により長年培った量産技術でガスセンサの安定供給を実現している。

 産業分野向けとして約40年前から水素を選択的に高感度に検知するガスセンサの研究開発を行ってきた。現在全国に設置されている水素ステーションの約8割に新コスモス電機のガス検知警報器が設置されるなど、水素検知に適したガス検知警報器の提供を通じて、安全な水素社会の実現に向けた取り組みに注力している。

 水素は、空気より軽いため漏えいしてもすぐに拡散する傾向がある。しかし、爆発範囲は4%から75%と広く、可燃性ガスの中でも爆発の危険が高いガスで、密閉された空間で漏えいすると危険なものとなる。

 水素を燃料とする自動車の国際安全基準(GTR13)では、水素が漏えいしたら迅速に検知して知らせることが義務付けられている。そこで、水素を検知するガスセンサが活躍する。水素センサは、燃料貯蔵・供給システム全体を監視し、自動車だけでなくトラックやバス、船舶、フォークリフト、トラクター、列車、さらには航空機に至るまで、水素をエネルギー源とする車両の安全に役立てられている。