サイサンとLiLzが共同でLGCのモバイル残量監視システムを実現

残量確認の訪問時間を削減、可視化により配送効率化

 IoT・AI遠隔点検サービス提供のLiLz株式会社(本社:沖縄県宜野湾市、大西 敬吾 代表取締役社長)は、サイサンと共同で手軽に実現できるLGC(Liquid Gas Container)のモバイル残量監視システムを開発したと発表した。LiLzが遠隔IoT・AIサービスのリルズゲージを提供、測定方法を提案し、サイサンでは現場での実証、kintoneプラグインの開発をおこなった。

 共同で実現したLGC残量監視システムは、LGC容器の下にフロアスケールを置き、その情報をカメラ経由でリモート監視するもので、LGC側の改造が不要。また、重さで監視するため正確な残量を把握することが可能だとしている。従来システムの1/3程度の費用で導入でき、即日運用できる。kintoneを活用してスマートフォンなどのモバイルの監視や、CEとボンベ残数なども同じシステムで監視可能。

※本システムのLGC残量監視部分はLiLzが特許出願中。
※kintoneはサイボウズ株式会社、カスタマーコンパスはサムライシステム株式会社のサービス。

 医療ガスや産業ガスなど一般高圧ガスの供給は、社会にかかせないインフラの1つであり、ガス切れを起こすことなくタイムリーに供給することは業界の共通課題となっている。特に医療用酸素に代表される医療ガスは人命に関わるライフラインのため、ガスの安定供給には定期的な残量監視が不可欠だが、現地に赴いての目視確認が従来のやり方だった。ガスの供給方式には、消費量や設置スペースの兼ね合いから大規模消費のCEタンク方式、中規模消費のLGC方式、小規模消費のガスボンベ方式の3種があり、このうち、CEタンク方式とガスボンベ方式に関しては、LiLzが提供するLiLz Gauge(リルズゲージ)などを含めIoT・AIリモート残量監視サービスが浸透し始めている。しかしながら、ガス消費量は多いが設置スペースが充分でない場合に採用されることの多いLGC方式の残量監視や、そのリモート化については充填されているガスが液状であることや、LGC容器の構造が残量監視に適していないことなどから、手軽に残量監視できるサービスが提供されていなかった。

 サイサン医療ガス部の星野部長は「LGCの残量管理が出来ることで全てのガス供給形態に遠隔残量管理が可能となります。いままでも遠隔残量管理が出来なかった訳ではありませんが容器を固定化せず、安価かつ容易に設置が可能なシステムは初めてだと思います。これにより使用量にバラツキのある医療機関へ、残量確認のために訪問していた時間を削減できます。いつでも何処でもカメラによる画像をスマートフォン等のモバイルデバイスで確認出来るため、安心感は計り知れず、さらには残量可視化により配送効率を上げることが今後の人手不足対策にも有効と考えております。効率化だけではなく、ガス切れ事故も限りなくゼロにできると考えており、よりお客さまに安全・安心をお届けできることを期待しております」とコメントしている。