岩谷産業の水素燃料電池船「まほろば」が完成

2025年大阪・関西万博で運航予定

 岩谷産業が2025年大阪・関西万博で運航を予定している水素燃料電池船「まほろば」の建造が完了し、2024年10月18日に大阪・中之島ゲートまで曳航され無事到着した。

水素燃料電池船「まほろば」
水素燃料電池船「まほろば」

 今回の水素燃料電池船は、2021年に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として採択されており、従来の内燃機関船と違い、走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない水素燃料電池を使用し、高い環境性能を有するだけでなく、においがなく、騒音・振動の少ない優れた快適性を実現している。

 2023年6月に船体のベースとなる「船殻」の組み立てから建造を開始し、組み立てた船殻を反転させ、その後上部構造を搭載することで建造が進められていた。2024年5月には進水式を実施し船名を「まほろば」と命名、その後、内装工事や海上試運転を経て、無事に船舶を大阪まで曳航された。

 今後、船舶検査証を取得した後には、実証運航を行い、最適なエネルギーマネージメントシステムの構築を目指す。また、2025年4月には大阪・関西万博の海上輸送として運航を開始する。運航は船舶運航で実績のある京阪グループの大阪水上バス株式会社(本社:大阪、奥村茂之 社長)に委託する。

 岩谷産業では、運航まで半年に迫っているが、今後実証運航を経て大阪・関西万博において安全に運航できるように取り組むとしている。