エア・ウォーター、熊本県大津町にデジタル・半導体関連事業のグループ複合拠点 「エア・ウォーターグループ熊本事業所」を開所

半導体関連集積地から500mの距離に位置、産業ガス製造プラントの新設や倉庫棟の設備増強も視野

 エア・ウォーターは、熊本県菊池郡大津町で建設を進めていたデジタル・半導体関連事業のグループ複合拠点「エア・ウォーターグループ熊本事業所(所在地:熊本県菊池郡大津町大字杉水889番1)」が完成し、2025年5月27日に開所した。敷地面積は34,487㎡、主要設備として事務所棟(メンテナンス)、一般物・毒劇物倉庫(半導体材料ケミカル、エレクトロニクス向け一般資材)、危険物倉庫(半導体材料ケミカル)、テント倉庫(一般資材)を備える。投資額は約11億円。

「エア・ウォーターグループ熊本事業所」
「エア・ウォーターグループ熊本事業所」

 本事業所は、半導体デバイスメーカー及び半導体関連企業の集積地の中心から500mの距離に位置している。グループの半導体材料ガス・ケミカルなどの各種製品・サービスを安定してスピーディーに提供し、「九州におけるデジタル・半導体関連事業のセンター拠点」として機能。生成AI向けを中心に中長期的に拡大が続くエレクトロクス領域を成長ドライバーとして事業拡大を推進する。

 半導体市場は生成AI関連を中心に大規模半導体工場の新設・増強が進んでおり、熊本県菊池郡では世界最大級の半導体デバイスメーカーの工場が完成、第2工場の建設も計画されている。また、周辺には半導体材料・製造装置メーカーなど半導体関連企業の工場も多く建設されており、エレクトロニクス分野の需要拡大が見込まれる。
 エア・ウォーターグループは、大型オンサイトプラントやローリーによる窒素ガス等の供給にとどまらず、半導体材料ガス・ケミカルや薬液などの供給、材料マネジメントを含む物流サービス、各種半導体材料供給装置・高純度ガス配管・排ガス処理装置・ケミカルリサイクルなどのエンジニアリング及びメンテナンス、高出力UPS(無停電電源装置)など半導体関連市場の成長を支える製品・サービス群を一括して提供するデジタル・半導体関連事業を展開している。
 今回、営業・技術・物流等の機能を集約した「エア・ウォーターグループ熊本事業所」を開所したことで、半導体デバイスメーカーや半導体関連企業向けにグループの製品・サービスをスピーディーに提供する。また、本事業所は、今後のさらなる需要拡大を見据えて産業ガス製造プラントの新設、倉庫棟の設備増強も視野に入れ、九州の顧客にエア・ウォーターのデジタル・半導体事業を展開する。

 エア・ウォーターグループは、デジタル・半導体分野を事業成長戦略の一つとしてとらえ、2025年1月に「湘南イノベーションラボ」(神奈川県平塚市)を開所し、半導体材料の新規製品開発体制を強化。2025年4月に「グローバルエンジニアリングセンター」(大阪府堺市)を開所し、大型プラントや各種半導体材料供給装置などの開発・エンジニアリング・メンテナンス機能を集約・強化するとともに製造能力を増強した。

 最先端のエレクトロニクス産業に近い本事業所を通じて、高品質の製品・メンテナンス等のサービスを提供するだけでなく、ユーザーと密接に関わることでデジタル・半導体関連の情報・技術・ノウハウを収集・蓄積。エンジニアリングや研究・開発につなぎ、新製品開発・サービス創出と総合力発揮によりグループのデジタル・半導体関連事業の拡大に取り組む。