新コスモス電機が世界初の家庭用電池式水素警報器を開発

イギリス・SGN社がスコットランドで実施するグリーン水素プロジェクトに採用

 新コスモス電機は、世界初*の家庭用電池式水素警報器「HL-310」を開発し、スコットランドのファイフ行政区において、世界初となる100%グリーン水素を家庭に供給するネットワークを構築する実証プロジェクト「H100 Fife」に採用された。新コスモス電機は、本プロジェクトの対象となる家庭にHL-310を提供、天井に設置し室内の水素漏れを監視する。

*自社調べ(2025年5月時点)

 「H100 Fife」は、スコットランドとイングランド南部で天然ガスとグリーンガスの流通ネットワークを管理するイギリス・SGN社が行うもので、ファイフ行政区の希望する地域住民300戸を対象にボイラーやコンロなどインセンティブを提供し100%グリーン水素を供給、家庭での水素利用の実用性と安全性を実証している。

SGN社「H100 Fife」の詳細https://www.h100fife.co.uk/

独自のMEMSガスセンサで実現した電池駆動の水素警報器

 近年ヨーロッパでは、新エネルギーとして注目されている水素を家庭用のコンロや暖房、電力貯蔵に活用する動きがある。水素は、空気より軽いため漏えいしてもすぐに拡散する傾向があるが、空気中の爆発範囲は4%から75%と広く、可燃性ガスの中でも爆発や火災が発生しやすいガスになる。そのため、密閉された空間で漏えいすると危険なため、家庭で水素を使用するには安全対策が必須となる。

 新コスモス電機は、世界で初めての家庭用ガス警報器を開発し、半世紀以上にわたり世界中の様々な家庭で人々の安心を見守ってきた。また、産業分野向けとして40年以上前から水素を選択的に高感度に検知するガスセンサの研究開発を行っている。現在、日本国内に設置されている水素ステーションの約8割に新コスモス電機のガス検知警報器が設置されるなど、水素検知に適したガス検知警報器の提供を通じて、安全な水素社会の実現に向けた取り組みに注力している。

 独自の熱線型半導体式センサ(CHセンサ)にMEMS技術を応用すること で、大幅な小型・省電力化を実現したMEMS-CHセンサを開発しており、このガスセンサは主に家庭用の電池式ガス警報器に搭載され、日本国内はもちろん家庭用ガス警報器の需要が増えている北米市場をはじめ世界中のガス事故をなくすために重要な役割を担っている。今回開発したHL-310にも水素用のMEMS-CHセンサが搭載されており、電池駆動で約5年間、ノーメンテナンスで使用が可能となっている。

新コスモス電機独自のMEMS-CHセンサ
新コスモス電機独自のMEMS-CHセンサ