沖縄県うるま市で水素貯蔵モジュールを活用した発電システムと水素燃料電池フォークリフト運用の実証

ヤンマーエネルギーシステムが水素燃料電池発電システム1機を納入

 沖縄県で総合建設業を行う株式会社沖電工は、内閣府沖縄総合事務局の支援事業「令和7年度沖縄型クリーンエネルギー導入促進実証事業費補助金」を活用し、水素を燃料に発電する燃料電池(ヤンマーエネルギーシステム製)を中城湾事業所(うるま市洲崎)に試験導入した。事業所の特定設備(製氷機)へ水素発電による電力供給実証事業を行う。製氷機は現場で働く配電部隊の欠かせないアイテムで、その製氷機の電源を電力系統から切り替えて燃料電池からの供給のみの独立運転を実施する。

沖電工の中城湾事業所に設置したヤンマーの水素燃料電池発電システム
沖電工の中城湾事業所に設置したヤンマーの水素燃料電池発電システム

 沖電工は「令和6年度沖縄型クリーンエネルギー導入促進実証事業費補助金」を活用して、水素を貯めておくことができる70MPa水素貯蔵モジュール(トヨタ自動車製)と水素を簡易的に車両に充填できる設備(鈴木商館「BELL STATION MINI 35」)、水素を燃料として駆動する水素燃料電池フォークリフトを中城湾事業所に導入している。沖電工によると、水素貯蔵モジュールを活用した簡易充填設備による燃料電池フォークリフトへの水素充填と、燃料電池の導入および併用は沖縄初の取組みとなる。
 ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーエネルギーシステムは、沖電工の中城湾事業所に水素燃料電池発電システム「HP35FA1Z」(35kW)1機を納入し、2025年10月1日に稼働を開始した。実証事業での水素活用拡大に向け、圧力領域に応じて水素を有効利用するカスケード利用検証において、低圧利用領域で「HP35FA1Z」による発電を行う。システムは、系統連携や自立運転が可能な仕様となっており、事業所の仕組み上(災害時後復旧のため待機)、系統から切り離した運用(BCP対策)も可能。