岩谷産業 2026年3月期第3四半期連結決算

中国の景気減速、ヘリウム市況の軟化、LPガスの市況変動により通期業績予想を下方修正

 岩谷産業の2026年3月期第3四半期連結決算は、売上高6411億3000万円(前年同期比2.7%増)、営業利益204億9700万円(同24.4%減)、経常利益295億2700万円(同21.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益267億7200万円(同0.9%増)だった。
 2026年3月期の通期業績予想を修正し、売上高8880億円(前回予想比484億円減少、前年同期比0.6%増)、営業利益358億円(同133億円減少、同22.5%減)、経常利益482億円(同149億円減少、同21.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益405億円(同83億円減少、同0.1%増)とした。中国での景気減速による影響に加え、産業ガス・機械事業におけるヘリウム市況の軟化に伴う収益性の低下が見込まれるとともに、総合エネルギー事業において、LPガスの市況変動による減益影響などが見込まれることから下方修正した。年間配当金の予想に変更は無い。

 水素エネルギー社会の実現に向け、出資する日本水素エネルギー株式会社が、海外から調達した液化水素を受け入れる主要施設となる「川崎LH2ターミナル」の建設を開始した。本施設には世界最大級の液化水素貯蔵タンクや海上荷役設備、液化設備等を備え、世界初の商用規模の受入基地となる予定。2030年度以降、国内需要への水素供給を目指す。
 海外戦略に関しては、豪州で長期操業が可能なミネラルサンド鉱区を保有するコバーン・リソーシーズ社を買収した。100%子会社である岩谷オーストラリア会社が運営する既存鉱区と合わせ、供給能力は2倍以上へと増強。岩谷オーストラリア会社が有するミネラルサンド鉱山の豊富な運営実績と操業ノウハウを活用することで、重要鉱物資源として位置づけるミネラルサンド事業のさらなる基盤強化と、安定した供給体制の構築を進める。
 セグメント別の経営成績は次のとおり。

総合エネルギー事業

 LPガス輸入価格が前年を下回り、販売価格が低下したことで減収となった。利益面においては、LPガスの小売部門で販売数量が増加し、収益性が改善。一方、卸売部門では販売数量が減少するとともに、市況要因(前年同期比48億6700万円の減益)により減益となった。また、中国における景気減速の影響により、カセットこんろ・ボンベの販売が低位に推移した。売上高は2519億9100万円(同38億2000万円の減収)、営業利益は29億5700万円(同47億1500万円の減益)。

産業ガス・機械事業

 水素ガスや水素関連設備の販売が伸長した一方、エアセパレートガスは中国において需要が低迷し、特殊ガスはヘリウム市況の軟化により、収益性が低下した。また、機械設備については、自動車業界向け設備の出荷が減少。売上高は2053億9500万円(前年同期比95億9800万円の増収)、営業利益は93億6800万円(同28億6400万円の減益)。

マテリアル事業

 レア・アース等は中国の輸出規制が継続する中、安定供給に努めたことにより、販売が伸長した。加えて、食品包装向け樹脂製品や低環境負荷PET樹脂の販売が堅調に推移し、新規連結の影響によりステンレスの売上が増加。一方で、ミネラルサンド事業は豪州自社鉱区の収益性が低下し、また中国向け機能性フィルムは販売数量が減少した。売上高は1590億7200万円(前年同期比100億0500万円の増収)、営業利益は85億7600万円(同1億8000万円の減益)。

その他

 売上高は246億7000万円(前年同期比9億7200万円の増収)、営業利益は26億2700万円(同1億1500万円の減益)。