エア・ウォーター 2026年3月期第2四半期連結決算(IFRS)

通期連結業績予想を修正し、最終損失100億円の赤字

 エア・ウォーターの2026年3月期第2四半期連結決算(IFRS)は、売上収益5166億3900万円(前年同期比2.4%増)、営業損失54億4700万円の赤字(前年同期は276億1200万円の黒字)、親会社の所有者に帰属する中間損失211億7900万円の赤字(前年同期は171億7500万円の黒字)となった。
 連結子会社の在庫をめぐる不適切な会計処理の発覚により、特別調査委員会を設置し調査を進めており、調査及びエア・ウォーターによる自主点検は継続中。2026年2月12日に受領した2026年2月9日時点の報告書及び自主点検の経過等を踏まえ、過年度の不適切な会計処理について過年度の(要約中間)連結財務諸表等の修正再表示を行った。
 通期連結業績予想を修正し、売上収益1兆1500億円(前回予想から変更無し、前年同期比8.4%増)、営業利益140億円(前回予想比700億円の減少、同77.2%減)、親会社の所有者に帰属する当期損失100億円の赤字(同630億円の減少、前年同期は377億0700万円の黒字)とした。主な修正要因は以下のとおり。
(1)のれん等の減損損失等の影響
 海外事業を中心に事業進捗および将来の収益性の見通し等から、減損兆候を早期に捉え、固定資産、のれん、無形資産等の回収可能性を検討した結果、主にのれんによる減損損失の影響を織り込み。(2025年度通期 影響額:営業利益△378億円)
(2)調査等に係る費用
 特別調査委員会の運営費用、外部専門家(弁護士・会計士等)費用、追加監査対応費用、実地棚卸等に係る費用等を計上見込み。(2025年度通期 影響額:営業利益△135億円)
(3)事業戦略の見直しによる事業撤退等の影響
 事業ポートフォリオの見直しを進める中で、事業環境の変化を踏まえ事業戦略を見直した結果、海外低温機器事業の撤退の影響、および海外水素関連事業への出資等の損失の影響を織り込み。(2025年度通期 影響額:営業利益△66億円、税引き前利益△120億円)
(4)在庫評価の適正化
 自主点検に伴い、在庫の評価について見直し。(2025年度通期 影響額:営業利益△37億円)
 年間配当金予想に変更はない。

連結セグメント別業績

デジタル&インダストリー

 セグメント売上収益は1599億8700万円(前年同期比3.1%減)、営業損失は167億0800万円の赤字(前年同期は138億3300万円の黒字)。
 インダストリアルガスユニットは、産業ガスの価格マネジメント効果が業績に寄与。ガスプロダクツユニットは、鉄鋼オンサイトにおいて一部高炉の停止等により、ガスの供給量が減少した。
 デジタルユニットは、生成AI向け半導体関連の旺盛な需要を背景に、先端半導体向けのガス供給に加え、ガス精製装置や半導体製造装置向け熱制御装置等の販売が増加。機能材料分野は、シール材や基礎化学品の販売回復に加え、価格マネジメント効果により、順調に推移した。
 グローバルエンジニアリングユニットは、インド事業において、鉄鋼オンサイトで高炉の長期メンテナンス等による一時影響が生じた。北米事業は、米国政策に端を発した水素関連需要の急減による低温機器事業の一部撤退など、厳しい状況で推移。高出力UPS(無停電電源装置)は、前年度の大型案件の剥落による利益差が生じたものの、新規案件の受注など堅調に推移した。
 北米低温機器事業の撤退やインド事業等における減損損失の影響を織り込み、売上収益は前年同期を下回り、営業利益は前年同期を大きく下回り赤字となった。

エネルギーソリューション

 セグメント売上収益は398億1900万円(前年同期比3.7%増)、営業損失は3億5300万円の赤字(前年同期は21億1100万円の黒字)。
 エネルギーソリューションユニットは、LPガス・灯油ともに販売単価や付帯サービス料金の見直し効果に加え、主力である家庭向けの販売数量が増加。
 グリーンイノベーションユニットは、炭酸ガス供給において原料ガス不足の影響を受けたが、販売数量を確保し安定供給に努め、順調に推移した。また、水素は半導体向けを中心に販売数量が拡大。
 グリーンイノベーション関連施設に関する減損損失の影響を織り込み、売上収益は前年同期を上回ったが、営業利益は前年同期を下回り赤字となった。

ヘルス&セーフティー

 セグメント売上収益は1218億9800万円(前年同期比6.5%増)、営業利益は72億6100万円(同138.9%増)。
 メディカルプロダクツユニットは、医療機関向けSPDの新規案件獲得に努めたが、医療用酸素の供給減等の影響を受けた。
 防災ユニットは、新築病院工事案件の減少等の影響を受けたものの、電力関連施設向け工事案件の進捗等により、堅調に推移。
 在宅ヘルスケアユニットは、注射針の生産・販売増に加え、川本産業(株)のコンシューマ向け製品の販売が順調に推移した。
 デンタルケアユニットは、歯科業界の高度デジタル化を背景に、歯科材料ならびに口腔医療向けデジタル成形機器の取り扱いが増加したことに加え、持分法適用会社である(株)歯愛メディカルの利益が貢献した。

アグリ&フーズ

 セグメント売上収益は891億6300万円(前年同期比1.6%増)、営業利益は13億9600万円(同68.2%減)。
 アグリユニットは、北海道産の馬鈴薯や大根の販売が好調に推移したほか、青果小売分野で運営の合理化等を進めたことにより、順調に推移した。
 フーズユニットは、大手量販店向けを中心としてハム・デリカ製品の販売が増加。一方で、冷凍野菜の海外生産は天候影響により大幅減となったほか、コンビニエンスストア向けのスイーツは採用減や商品収益性の悪化等が影響し、全体としては低調に推移した。
 飲料ユニットは、主要顧客向けを中心に清涼飲料水の生産が伸長し、堅調に推移。
 冷凍野菜の海外事業会社の減損損失による影響を織り込み、売上収益は前年同期を上回ったが、営業利益は前年同期を下回った。

その他の事業

 セグメント売上収益は1057億7000万円(前年同期比7.0%増)、営業利益は23億8500万円(同29.9%減)。
 海水事業は、水酸化マグネシウム等の環境製品の販売が増加したが、前年同期に大型案件の計上があった水処理設備工事が減少した影響を受けた。
 電力事業は、小名浜バイオマス発電所における発電燃料のPKS(パーム椰子殻)の市況低下やコスト低減の取り組みが寄与。
 専門商社事業は、電子部品や先端半導体向けの販売を中心に回復基調で推移した。
 物流事業は、食品の取扱量が増加したほか、受託料金の改定が進展。
 その他の国内事業会社の減損損失による影響を織り込み、売上収益は前年同期を上回ったが、営業利益は前年同期を下回った。