東京科学大学の「TP-MVST療法」で治療用細胞の製造自動化に向け5社が共同開発
岩谷産業が完成した治療用細胞の凍結保存に関する手順を開発
⽇⽴グローバルライフソリューションズ(以下、日立GLS)、日立製作所(以下、日立)、日立ハイテクの日立グループ3社と、岩谷産業、日本精工は、造血細胞移植後のウイルス感染症の治療手段として、国立大学法人東京科学大学が研究を進めている「TP-MVST療法*1」において、治療用細胞の製造自動化に向けた共同開発を2026年3月から開始する。
東京科学大学が研究を進めている「TP-MVST療法」で用いる免疫細胞(以下、治療用細胞)の製造では、ドナー由来細胞のばらつきに応じた対応が必要であることや複数の工程が手作業に依存していることから、品質の安定化と大量製造の両立が課題となる。今回の共同開発で、東京科学大学と各社が、それぞれの専門的な知見や技術を持ち寄り、製造プロセスの標準化と自動化による、品質の安定化と大量製造の両立をめざす。将来的には、重症化や長期化が課題となる造血細胞移植後のウイルス感染症に対する新たな治療手段として確立を図り、人々のQoL向上に貢献する。
東京科学大学が、治療用細胞の製造自動化に向けた技術開発をリードし、臨床現場の知見を基礎研究に反映して治療用細胞の質を高める研究手法(リバース・トランスレーショナル・リサーチ)を用いて、開発全体の統括役を務める。日立グループは、日立GLSが温度・湿度・室圧・清浄度といった空気環境を精密に制御する空調エンジニアリング技術を生かして展開する細胞培養加工施設向けソリューション*2の提供に加え、製造工程で使用する設備や機器の稼働データを収集・活用するデジタライズドアセット化を推進するとともに、日立は細胞培養の最適化のためのシミュレーション技術開発を、日立ハイテクが細胞培養工程の自動化に関する開発を、それぞれ手掛ける。また、岩谷産業は、完成した治療用細胞の凍結保存に関する手順の開発を、日本精工は、回転技術を基盤とした精密制御技術を生かし、細胞洗浄・精製工程を自動化する機器に関する開発を、それぞれ担当する。
日立グループの3会社・部門が所属する日立のコネクティブインダストリーズセクターでは、プロダクトの豊富なインストールベース(デジタライズドアセット)のデータにドメインナレッジと先進AIを組み合わせた産業分野向け次世代ソリューション群「HMAX Industry」のラインアップとして、バイオ医薬向けに新たなソリューションの開発を推進する。
*1第三者由来の複数ウイルスに対する抗原特異的T細胞を用いた造血細胞移植後の治療抵抗性ウイルス感染症に対する細胞療法。TP-MVST: Third‑Party Multi‑Virus Specific T‑cell Therapy
*2詳細は、日立GLSのウェブサイト内のソリューション紹介サイト(https://www.hitachi-gls.co.jp/products/cpc/)参照。
日立グローバルライフソリューションズについて
家電品、空調機器、設備機器や、エンジニアリング・保守サービスを提供するとともに、フットプリントとプロダクトのデータから価値を創出するLumada 事業に注力し、ワークトランスフォーメーションおよびグリーントランスフォーメーションの実現にOne Hitachi で貢献。日立GLSウェブサイト(https://corp.hitachi-gls.co.jp/)。
日立製作所について
IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、顧客と社会の課題を解決する。2024年度(2025年3月期)売上収益は9兆7,833億円、2025年3月末時点で連結子会社は618社、全世界で約28万人の従業員を擁する。日立ウェブサイト(www.hitachi.com)。
日立ハイテクについて
ヘルスケア分野における医用分析装置、バイオ関連製品、放射線治療システム、半導体分野における半導体製造・検査装置のほか、環境分野や材料の研究などで用いられる分析装置、解析装置を製造・販売。また、電池、通信インフラ、鉄道検測、デジタルなどの産業・社会インフラ分野で高付加価値ソリューションを提供するなど、幅広い事業領域でグローバルに事業を展開する。2025年3月期日立ハイテクグループ連結売上収益は7,565億円。日立ハイテクウェブサイト(https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/)。
岩谷産業について
産業ガス事業は、酸素・窒素・アルゴンといったエアセパレートガスやヘリウム、炭酸ガス、半導体材料ガス等を国内外に幅広く供給し、自動車・半導体・医療・食品など多様な産業を支える。再生医療分野においては液体窒素を利用した細胞凍結技術を活かし、低温物流分野で産業化に向けて貢献。岩谷産業ウェブサイト(https://www.iwatani.co.jp/jpn/)。
日本精工について
1916年に日本で最初の軸受(ベアリング)を生産して以来、100年以上にわたり軸受や自動車部品、精機製品などのさまざまな革新的な製品・技術を生み出し、世界の産業の発展を支えてきた。1960年代初頭から海外に進出し、現在では約30ヶ国に拠点を設け、軸受の分野で世界第3位、またボールねじ、電動パワーステアリングなどにおいても世界をリードする。NSKウェブサイト(https://www.nsk.com/jp-ja/)。



