日立とエア・ウォーターが超音波診断装置の販売協業に合意
日立製作所(執行役社長兼 CEO:東原 敏昭/以下、日立)とエア・ウォーター(代表取締役会長・CEO 豊田 昌洋/以下、エア・ウォーター)は、超音波診断装置の販売に関して合意し、エア・ウォーターは 10 月から日立の超音波診断装置「ARIETTA Precision」を国内で販売する。エア・ウォーターは製品ラインアップの拡充を図るほか、日立にとっても日本での販売チャネルの拡大や事業強化につながる。
日立はヘルスケア分野を社会イノベーション事業における注力 4 事業分野の一つと位置づけ、画像診断装置、粒子線がん治療システムなどの診断・臨床分野から IT を活用したサービス、地域包括ケアなどのインフォマティクス分野まで、医療の質向上と効率化を実現するソリューションを提供している。
診断分野において、超音波診断装置は、グローバルナンバーワンをめざしており、診療科別ソリューションの拡充や販売網の拡大を図っている。
一方、産業ガス・医療用ガスを事業の中核とするエア・ウォーターは、医療ビジネスにおいて今日では医療カンパニーを中心にグループ各社で構成する医療専門集団により、手術室・ICU(Intensive Care Unit)などの高度病院設備工事から、周産期分野を中心に強みを持つ医療機器事業、SPD(Supply Processing & Distribution)・受託滅菌サービスをはじめとする病院サービス事業、医療用ガス事業、そして在宅医療事業によって、医療に関わるさまざまなニーズに技術とサービスで応えてきた。
今回、超音波診断装置事業の強化をめざす日立と手術室関連事業の充実をめざすエア・ウォーターのニーズが合致し、合意に至ったもの。
超音波診断装置は、妊娠中の経過観察や乳がん検査などの診断だけでなく、手術前や手術中にも用いられている。例えば、肝臓がんの手術前に、切除する範囲のシミュレーションや、手術中に腫瘍の取り残しがないかを確認するために使用されている。また、腹腔鏡手術では、医師が病変を目視や触診で確認することが難しいため、超音波診断装置による確認が有用とされている。
日立の超音波診断装置「ARIETTA Precision」は、21.5インチの大型のタッチモニタを搭載しており、離れた場所からでも見やすく、検査部位をより詳細に観察することもできる。また、モニタと装置本体は無線で接続しているため、分離して設置することができ、スペースが限られた手術室内でも自由にレイアウトすることが可能。これらの特徴を生かし、日立とエア・ウォーターは手術室の利用環境に合わせた最適な装置やその配置など、トータルなソリューションを提供していく。
近年、医療機器の分野でも IoT を活用した手術室内の機器統合とデータの利活用が進みつつある。今後、日立とエア・ウォーターは両社の製品やサービスを連携させた手術室関連ソリューションを検討し、最先端の医療に貢献する。