岩谷産業と岩谷瓦斯、茨城県と中国陕西省西安市に新ヘリウムセンターを建設

　岩谷産業の 100％子会社、岩谷瓦斯（本社：大阪、社長：宮川 隆史)は、2019 年 4 月の完成を目指し、茨城県稲敷郡に新たなヘリウムセンターを建設する。同社は現在、大阪ヘリウムセンター（大阪府）、つくばガスセンター（茨城県）、横須賀ガスセンター（神奈川県）の国内 3 拠点にヘリウムセンターを有しており、今回、つくばガスセンター、横須賀ガスセンターの東日本 2 拠点の機能を統合し、最新の設備を備えた新ヘリウムセンターを建設する。

　新ヘリウムセンターは、製造能力を既存 2 拠点合計の 1.3 倍に増強するとともに、高効率のヘリウム回収設備を導入することで、充填時に発生するロスを従来の 8 分の 1 に低減する。また、超高純度ヘリウムの充填設備を導入するとともに、現在の 20MPa 充填から将来的には 30MPa の高圧充填を行うことで、一層の配送効率化を図る。

　また、岩谷産業グループでは、中国でのヘリウムガス、液化ヘリウムの需要増加を受け、2019 年 2 月の完成を目指し、西部地区の陕西省西安市に中国で浙江省嘉興市に次ぐ 2 拠点目となるヘリウムセンターを建設する。同地域では光ファイバーや病院での MRI 向けの需要増加が見込まれており、今後、中国での更なる販売量の増加、およびシェア拡大に繋げる。

　日本、中国の新ヘリウムセンターともに、約 1 万 平方メートルの未利用敷地を有しており、ヘリウムを大量に消費するユーザーの誘致を検討する。ユーザーの製造工程の一部をヘリウムセンター内に設置することにより、製造工程で消費したヘリウムを回収、再利用するなど、お互いのメリットを共有できる。

　ヘリウムは、医療や半導体・光ファイバーなど先端産業で欠かせないガスであり、世界 6 カ国の天然ガス田のみで産出される「戦略資源」とも称される希少なガス。岩谷産業は、米国産ヘリウムに加え、アジア企業で唯一カタール産ヘリウムの直接輸入権益を有する企業になる。引き続き、その調達力を活かし、日本をはじめとして、中国・東南アジアで安定供給体制の強化を図る。

【茨城県の新ヘリウムセンターの概要】
所在地： 茨城県稲敷郡阿見町星の里 4 番 1 号 阿見東部工業団地内
完成予定： 2019 年 4 月

【中国 陕西省西安市の新ヘリウムセンターの概要】
所在地： 陕西省西安市経済技術開発区
完成予定： 2019 年 2 月