日本水素ステーションネットワーク合同会社を設立 -11 社協業により水素ステーションの整備を加速-
トヨタ自動車(社長:豊田章男)、日産自動車(社長:西川廣人)、本田技研工業(社長:八郷隆弘)、JXTGエネルギー(社長:杉森務)、出光興産(社長:月岡隆)、岩谷産業(社長:谷本光博)、東京ガス(社長:広瀬道明)、東邦ガス(社長:冨成義郎)、日本エア・リキード(社長:矢原史朗)、豊田通商(社長:加留部淳)、日本政策投資銀行(社長:柳正憲)の計 11 社は、燃料電池自動車(以下、「FCV」)向け水素ステーションの本格整備を目的とした「日本水素ステーションネットワーク合同会社」(以下、「JHyM(ジェイハイム)」:Japan H2 Mobility)を設立した。
JHyM は、再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議「水素基本戦略」(2017 年 12 月 26 日付)において、水素ステーション整備の推進役として位置づけられており、表記 11 社は政府の方針と連動する形で、インフラ事業者、自動車メーカーに加え、金融投資家等が連携する世界初の取り組みとして、モビリティ社会における水素や FCV の有効性を認識し、意思結集した。
JHyM では、FCV 普及初期における水素ステーション事業の諸課題を踏まえ、インフラ事業者、自動車メーカー、金融投資家等がそれぞれの役割を果たし、表記 11 社を中心としたオールジャパンでの協業により、戦略的な水素ステーションの整備、並びに、水素ステーションの効率的な運営に取り組むことで、FCV ユーザーの利便性向上を図り、FCV 台数の増加、水素ステーション事業の自立化、更なる水素ステーションの整備という「FCV と水素ステーションの好循環」の創出を目指す。
水素・燃料電池戦略協議会「水素・燃料電池戦略ロードマップ」(2016年 3 月 22 日付改訂)の官民目標(2020 年度までに水素ステーション 160 箇所程度の整備、FCVの 4 万台程度の普及など)を踏まえ、事業期間を 10 年と想定し、第 1 期としてまず 2021 年度までの 4 年間で 80 箇所の水素ステーション整備を目標とし、その後もさらなる拡張を目指す。具体的な JHyM の取り組みは、以下の通り。
1. 水素ステーションの戦略的な整備
・国の補助金政策、自治体の普及に向けた取組み等を総合的に勘案しながら、独自に「水素ステーション整備計画」を策定し、日本全国で多くのユーザーに FCV を使ってもらえる環境を整備する。
・着実な水素ステーションの整備目標達成のために、本メンバーだけでなく広く JHyM への新規参画を募る。
2. 水素ステーションの効率的な運営への貢献
オールジャパンで水素ステーションを整備・保有する JHyM は、インフラ事業者に委託する水素ステーション運営業務を通じて水素ステーションの整備情報や運営情報を収集し、その情報を有効に活用することで、以下のように、水素ステーションの効率的な運営などロードマップ目標の実現に貢献する。
1) FCV ユーザーの利便性向上
・FCV の普及に応じた水素ステーションの営業日数拡大など、FCV ユーザーが快適に水素ステーションを利用できるように、水素インフラの業界団体である一般社団法人水素供給利用技術協会(HySUT)とも連携し、水素ステーションの利便性向上を目指す。
2) 水素ステーションのコストダウンや規制見直しへの対応
・燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)、HySUT 等の外部機関と連携し、水素ステーション機器・システムの標準化や規制見直し等の検討を通じ、コストダウンを目指す。
JHyMでの取り組みを進めるための、関係各社の主な役割は、以下の通り。
・インフラ事業者は、水素ステーションの投資・建設コストを負担し、JHyM から水素ステーションの運営業務を受託する。
・自動車メーカーは、JHyM を通じてインフラ事業者に水素ステーションの運営を業務委託し、水素ステーション整備を後押しするとともに、FCV の普及拡大に取り組む。
・金融投資家等は、水素社会の実現に向けたファイナンスの活用機会の拡大に貢献するべく、JHyM への出資を通じて水素ステーション事業の自立化までに必要な資金を拠出、インフラ事業者の初期投資負担を軽減し、新規参入事業者の参画を促す。
今後、JHyM は幅広く水素ステーション事業者等へ本事業への参画を求めながら、水素ステーション事業の早期自立化及び FCV の普及拡大、ひいては我が国の持続可能な水素社会の実現に貢献できるよう、取り組む。