近畿エア・ウォーター、期限切れ容器への高圧ガス充填で和歌山県に報告

 エア・ウォーター子会社の近畿エア・ウォーター(本社:大阪市、代表取締役社長:木津博司)は3月6日、和歌山県総務部危機管理局危機管理・消防課より、高圧ガス保安法の違反事案(使用期限切れ容器および再検査期限切れ容器に高圧ガスを充填)における原因および経過ならびに再発防止策について報告する旨の指示を受けた。

 今回の指示は、近畿エア・ウォーター和歌山支店ケーディー工場において、容器の製造から15年を超過したFRP容器(2本)ヘの高圧ガスの充填、および容器再検査期限を超過した継ぎ目なし容器(5本)への高圧ガスの充填に対するものであり、充填した高圧ガスはいずれも医療用酸素となる。

 本件発覚の経緯は、2019年11月28日に当該工場において充填のために返却された高圧ガス容器を確認した際、FRP容器の使用期限である製造から15年を超過したFRP容器2本が見つかったことによる。和歌山県に報告するとともに、容器再検査期限の最長期間である5年間に遡り、工場での充填実績記録をもとに調査を実施し、FRP容器671本、継ぎ目なし容器516本の計1,187本について現認点検を行った結果、最初に見つかった2本以外に使用期限を超過したFRP容器は確認されなかったが、容器再検査期限を超過した継ぎ目なし容器が5本あることを確認した。これらの容器は、2020年2月14日までにすべて回収が完了している。

 また、本件発生の原因は、容器再検査期限を管理するバーコードシステムへの入力誤り(人為的ミス)によるもの。なお、当該工場では、医療用酸素以外に、産業用ガス(酸素、窒素、アルゴン、炭酸ガス、圧縮空気)の充填も行っているが、これらの高圧ガス容器(1,390本)については、2020年3月3日までにすべて問題がないことを確認している。

 エア・ウォーターでは、今般の事態に関して、関係者に多大な心配、迷惑をかけたとして謝罪し、今回の指示を厳粛に受け止め、近畿エア・ウォーターをはじめ同社グループ全体における法令順守体制の強化および再発防止策の徹底に向けて真摯に取り組むとしている。