フィリップス、「ケア・オーケストレーター」で人工呼吸器と酸素濃縮器の遠隔モニタリングを開始
株式会社フィリップス・ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:堤 浩幸、以下 フィリップス)は2018年1月から日本国内でサービスを開始した「ケア・オーケストレーター」のサービス対象を拡げ、人工呼吸器から患者の治療データを集約し遠隔で治療状況をモニタリングできる機能を追加した。
これにより在宅患者の治療実績評価や治療履歴を分析のために治療データをグラフや表形式で表示し、中長期的なトレンドをモニタリングすることができる。また患者を支える施設間・さまざまな職種の関係者で患者情報を共有することができ、チームで支える連携体制をサポートする。
さらに、ダイキン工業株式会社と共同開発を行った情報通信機器を搭載した酸素濃縮器との接続も開始し、今後さらに接続機種を増やす。機器の使用時間や流量設定情報のモニタリング機能に加え、患者の呼吸回数を検知する機能を搭載しており、特にCOPD(慢性閉塞性肺疾患)患者の在宅における呼吸状態の把握をサポートする。
現在、2025年問題に備え在宅医療が促進されており、今後も在宅で治療を受ける患者は増加することが見込まれている。一方で在宅医療を支える地域包括医療は、多くの人員を必要とするが、少子高齢化により人員の確保が大きな問題となっている。「ケア・オーケストレーター」は、地域包括医療にかかわる多職種多施設の医療従事者が、効率的に患者のケアができるようサポートする。また、注目を集めている遠隔診療を行う際に、人工呼吸器や酸素濃縮器の情報を確認できるため、診療のサポートへの活用も期待される。「ケア・オーケストレーター」は次の3つのソリューションで在宅医療をサポートする。
- 遠隔モニタリングの実現
日々、在宅で使用する治療機器から転送される膨大なデータは、「ケア・オーケストレーター」へ自動的に集約。これらのデータによる治療評価には、カスタマイズレポートを使用し、医師にとって必要な情報をわかりやすく簡単に手に入れることができ、遠隔モニタリングにも活用できる。
- ケアチームの構築
治療からリハビリテーション、在宅介護にいたるまで、患者のケアを続けることが可能な連携体制の構築をサポートする。異なる地域、異なる専門性、高度な知識や経験を持つ医師を「ケアチーム」でつなぎ、より安心で適した治療の提供を目指す。
- パーソナライズドケアの提供
「ケア・オーケストレーター」は、患者のニーズに合わせたパーソナライズドケアを提供し、より注意が必要な患者にフォーカスした表示設定ができる。これらの情報は施設毎・患者毎にタスク管理ができるため、治療状況を早く把握できるようにサポートする。
「ケア・オーケストレーター」は2016年に米国FDAの510(k)を取得し、米国内でのサービスをスタートした。日本国内においては、クラウドコンピューティング環境で稼働する呼吸装置治療支援プログラムとして厚生労働省より薬事承認を受け、 2018年1月よりCPAPによる睡眠時無呼吸症候群の治療支援を目的としてサービスを開始。点在していた診療情報の統合管理と遠隔モニタリングにより、医療従事者の診療負荷軽減ならびに患者の待ち時間削減への寄与を目指してきた。