高圧ガス工業 2020年3月期連結決算
高圧ガス工業の2020年3月期連結決算は、売上高839億4300万円(前年同期比1.1%減)、営業利益51億4100万円(同0.8%増)、経常利益58億2800万円(同0.8%増)、親会社株主に帰属する純利益38億0500万円(同9.0%増)だった。年間配当金は16円を維持。
セグメント別概況
【ガス事業】
鉄鋼、自動車、化学などの仕向け先において減速感がみられた。シリンダ-ガスビジネスの収益力強化のため、積極的な投資を行ない、生産体制の合理化を進め、地域に密着した営業を展開した。
『溶解アセチレン』は、建設、土木など現場工事向け需要が減少したものの、新規需要先の獲得や価格改定の効果もあり、売上高は前期を上回った。
『その他工業ガス等』は、窒素、アルゴン、冷媒用ガス、エアゾール用ガスが新規需要先の獲得により増加したものの、酸素が現場工事向け需要の減少、炭酸ガスが原料ソースの減少、また、LPガス等の石油系ガスが輸入価格の下落に伴なう販売価格の低下により、売上高は前期を下回った。
『溶接溶断関連機器』は、工作機械や溶接ロボット等の受注が減少し、売上高は前期を下回った。
『容器』は、消火装置向け容器が増加し、売上高は前期を上回った。
このほか『設備賃貸』の収入を加えた当事業の売上高は630億1300万円(前期比1.8%減少)、営業利益は51億2900万円(前期比2.5%増加)。
【化成品事業】
原材料価格の安定がみられたものの、一部の原材料に供給不足による値上がりがあり、厳しい状況が続いた。新しい技術の開発に注力し、環境にやさしい製品やユーザーニーズに合った付加価値の高い製品の開発を行ない、国内はもとより海外にも、積極的な事業展開を進めた。
『接着剤』は、ペガールの粘着用が需要低迷により減少したものの、紙用、土木用、繊維用の需要が、国内・海外向けともに伸長し、その他新規開発の自動車シート用の需要も増加、また、シアノンが、海外での一般消費者向けの需要が減少したものの、医療用などの高付加価値品が増加し、ぺガールを原料とした塗料、コーティング剤などの販売が増加したことにより、売上高は前期を上回った。
『塗料』は、、建築用塗料が、改修工事向け「ウォールバリアシリーズ」、「ビーズコートシリーズ」などの高機能・高付加価値品の伸長により増加し、エアゾール製品が減少したものの、売上高は前期を上回った。
このほか『設備賃貸』の収入を加えた当事業の売上高は178億7200万円(前期比1.6%増加)、営業利益は13億1600万円(前期比18.4%増加)。
【その他事業】
食品添加物が増加したものの、国内、海外向けLSIカード関連や海外向け光学機器の需要が減少したことにより、売上高は30億5700万円(前期比4.2%減少)、営業利益は600万円(前期比94.6%減少)なった。
今後の見通し
米中貿易摩擦に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴なう世界的な経済活動の大幅な停滞により、国内景気の悪化が懸念される不透明な状況が続くとした。
次期の連結業績見通しは、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を現時点で合理的に算定することが困難なことから、未定とした。業績予想の開示が可能となった段階で、速やかに公表する。