岩谷産業 2021年3月期第2四半期連結決算
産業ガス・機械事業は売上高834億8900万円(前年同期比90億6300万円の減収)、営業利益42億1000万円(同8億9200万円の減益)
岩谷産業の2021年3月期第2四半期連結決算は、売上高2846億2600万円(前年同期比11.9%減)、営業利益75億2800万円(同9.5%減)、経常利益97億6000万円(同1.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益62億7700万円(同0.7%増)だった。
通期見通し、配当予想に変更は無い。
新型コロナウイルスの影響により、工業分野向け主力商品の販売が第1四半期を中心に減少したが、経済活動の再開に伴い回復傾向にある。また、在宅率の上昇を背景に消費者向け商品の販売が増加した。一方で、LPガス輸入価格が期初に下落し、低位に推移したことにより、販売価格が下がるとともに、相対的に高値の在庫を販売することになり、24億1400万円の減益要因(前年同期比4億4800万円の減益)が発生した。
グループは中期経営計画「PLAN20」の基本方針である「成長戦略の推進」と「経営基盤の拡充」に取り組んだ。
水素エネルギー社会の実現に向けては、神戸・関西圏における水素利活用の社会実装と水素サプライチェーン構築を目的とし、「神戸・関西圏水素利活用協議会」を設立。さらに、水素分野におけるグローバルな連携や水素サプライチェーンの形成を推進する新たな団体「水素バリューチェーン推進協議会」の設立に向けて準備を進めている。
また、SDGsの実現に向けては、プラスチックに関連する課題の解決に貢献すべく、共同出資している株式会社アールプラスジャパンを通じて環境負荷の少ない効率的なプラスチック再資源化事業の確立に取り組むとともに、低環境負荷PET樹脂の拡販を通じて、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速している。
2015年10月22日に発行した2020年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(300億円)については、9月30日時点で103億円が株式に転換され、その後、10月9日までに全額の株式転換が完了した。これにより、1990年10月以降、30年に渡って200億円であった資本金が350億円となり、資本の充実が図られた。
セグメント別の業績は次の通り。
【総合エネルギー事業】
LPガス輸入価格が低位に推移したことに伴い、LPガスの販売価格が低下した。また、家庭用LPガスの販売は増加したものの、業務用・工業用LPガスの販売が減少し、減収となった。利益面については、LPガスの市況要因による減益影響(前年同期比4億4800万円の減益)があったが、カセットこんろ・ボンベの販売が好調に推移し、増益となった。
売上高は1219億3900万円(前年同期比176億7300万円の減収)、営業利益は19億7300万円(同6800万円の増益)。
【産業ガス・機械事業】
エアセパレートガスについては自動車関連業界および光ファイバー業界向けの販売が減少し、機械設備についても顧客の設備投資の延期等から売上が減少した。ヘリウムについては、海外での販売が好調に推移した。水素事業は、液化水素の売上が増加したことに加え、水素関連設備の販売が伸長した。
売上高は834億8900万円(前年同期比90億6300万円の減収)、営業利益は42億1000万円(同8億9200万円の減益)。
【マテリアル事業】
ミネラルサンドについては、前期に買収した鉱区の生産、販売が順調に推移したが、国内外で自動車関連業界および鉄鋼業界の低迷により販売が減少した。また、エアコン向け金属加工品の販売が減少したが、低環境負荷PET樹脂や機能性フィルムは販売が増加した。二次電池材料については、市況が下落したことにより減収となったが、販売数量は増加した。
売上高は651億1900万円(前年同期比92億2800万円の減収)、営業利益は19億8200万円(同1億2300万円の減益)。
【自然産業事業】
外食および給食業界向け冷凍食品の販売が減少した。また、種豚の出荷は増加したが、農業設備の販売は減少した。
売上高は118億3700万円(前年同期比17億7100万円の減収)、営業利益は3億6400万円(同2億3800万円の減益)。
【その他】
売上高は22億4000万円(前年同期比7億3800万円の減収)、営業利益は5億5300万円(同4700万円の増益)。