JFE製水素ステーション用Type2蓄圧器が「豊田豊栄水素ステーション」で採用

国産初のType2蓄圧器による商用ステーションの実運用開始

 JFE スチール株式会社(以下、「JFE スチール」)と JFEコンテイナー株式会社(以下、「JFE コンテイナー」)は、水素ステーション用蓄圧容器の開発を行い、2018 年度に国産初の水素ステーション用 Type2 蓄圧器(※1)の商品化を完了した。この JFE製 Type2 蓄圧器が、東邦ガスと日本水素ステーションネットワークが2020 年 12月 25 日に開所した「豊田豊栄水素ステーション(愛知県)」で初めて採用され運用が開始された。

豊田豊栄水素ステーション
豊田豊栄水素ステーション

 JFE 製 Type2 蓄圧器は使用可能圧力範囲が広く、一度に燃料電池車(Fuel Cell Vehicle : FCV)に多量の水素を供給できる特長がある。そのため、燃料電池バスや給水素台数が多いステーションでの採用が期待され、FCV の普及が進むことで今後更にニーズが高まっていくことが予想される。

 当容器は、JFEコンテイナーが設計し、JFEスチール製の鋼管から製造した鋼製ライナの胴部に、三菱ケミカル製の炭素繊維を巻きつけたもの。耐圧性能を鉄と炭素繊維で最適に分担し、高圧力範囲で長寿命化を実現した。形状はシンプルなストレート型で、ライナの製造と炭素繊維の巻きつけ工程の簡略化、炭素繊維の使用量減による製造コストの低減、また大口径を活かしたメンテナンスの簡易化が可能になった。

 また、JFE スチールおよび JFE コンテイナーは水素ステーションの低コスト化に対応できる、大容量低コスト型 Type1 蓄圧器(※2)の商品化も 2019年度に完了しており、実適用に向けて活動中。小規模ステーションや、より低コストが求められるステーションでの採用を目指している。

(※1) Type2 蓄圧器

 鋼製ライナの胴部に炭素繊維強化型樹脂(Carbon Fiber Reinforced Plastics : CFRP)を巻き付けて高い特性を発現させた複合容器蓄圧器。JFEグループで取り組んだType2 蓄圧器研究開発の一部は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の水素利用技術研究開発事業(2013年度~2017 年度)の一環として行われた。

Type2 蓄圧器

(※2) Type1 蓄圧器

 極厚シームレス鋼管を用いて製造した蓄圧器。Type2 と比較して、圧力範囲は狭くなるが、大容量かつ低コスト化が可能。

Type1 蓄圧器