エア・ウォーターがスペースウォーカー社と脱炭素社会の実現に向けた技術開発の基本合意書締結
ロケット開発技術を応用した高圧タンクの用途開発に取り組む
エア・ウォーター及び、エア・ウォーター北海道は、宇宙スタートアップの(株)SPACE WALKER(本社:東京都港区、代表取締役 CEO 眞鍋顕秀、以下、スペースウォーカー)と、脱炭素社会の実現に向けた水素利用に関する技術開発の基本合意書を新たに締結した。
スペースウォーカーは、誰もが飛行機に乗るように自由に宇宙を往来する未来を目指し、持続可能な宇宙輸送手段を提供するために、有翼式再使用型サブオービタルスペースプレーンの研究・開発を行っている。エア・ウォーターとエア・ウォーター北海道は、宇宙開発を通じた地域の発展に貢献するため、スペースウォーカーと2020 年9 月に基本協定を締結し、主に宇宙へ向けた技術開発の協力関係を構築し具体的な検討を進めている。
3 社は、北海道大樹町にて打ち上げを計画する宇宙関連の取り組みに加えて、新たに脱炭素社会の実現に向けた技術開発の基本合意書を9 月14 日に締結した。
エア・ウォーターとエア・ウォーター北海道は、産業ガス事業で培った高圧ガスに関する豊富な知見と技術を保有し、一方でスペースウォーカーは、ロケットに搭載するガス・液体燃料タンクをより軽量で頑強にするための様々な技術開発に取り組んでいる。今後は、3 社の知見や技術を持ち寄り、主に地上での水素の輸送・供給設備に使用可能な「次世代複合材高圧タンク」の用途開発に共同で取り組む。
開発する高圧タンクは、今後、エネルギー用途での水素ガス需要の拡大が見込まれる中、水素トレーラーやカードルなどの輸送機器への展開や水素ステーションでの利用を想定する。
「次世代複合材高圧タンク」
TypeⅣ・TypeⅤと呼ばれるCFRP(炭素繊維強化プラスチック)複合容器を指し、ロケット開発で最も重要となる「軽量化」の技術の一つ。金属容器または金属容器をライナーとして用いた従来品(TypeⅠ~Ⅲ)と異なり、金属を使わないTypeⅣ・TypeⅤの容器で、耐久性・長寿命化と軽量化の両立を極限まで追求している。