エア・ウォーター、農業・食品関連事業の子会社を再編

アフターコロナへ、市販用冷凍食品や総菜、宅配向け商品の開発を強化。新会社エア・ウォーターアグリ&フーズへ開発・販売機能を集約

 エア・ウォーターは農業・食品関連事業(農産・加工品事業)において、コロナ禍による「食」に対するニーズの変化を捉え、市販用冷凍食品や総菜、宅配向け商品などの開発強化に向けて、新会社エア・ウォーターアグリ&フーズ㈱への開発・販売機能の集約をはじめとした子会社再編を行い、2021 年10 月1 日より新事業体制を始動する。

再編前後の体制
再編前後の体制

 エア・ウォーターグループの農業・食品関連事業は、野菜の調達・加工やハム・デリカ、冷凍食品、スイーツを扱う農産・加工品事業と、野菜・果実系飲料等の受託製造を展開する飲料事業を中心に、青果小売、農業機械、食品衛生指導など「食」に関わる多彩な事業を展開している。

 新型コロナウイルス禍によって「食」に対するニーズが大きく変化する中、健康志向や家庭での食事機会の増加、宅配やEC(電子商取引)の利用といったライフスタイルはコロナ収束後も定着化し、今後の市場拡大を牽引していくことが想定される。エア・ウォーターはホテルや外食向けなど業務用が中心だった開発・販売体制を見直し、こうした変化に機動的に対応するため、子会社の完全子会社化など、事業再編に向けた準備を進めてきた。

 今回の農産・加工品事業における子会社再編により、これまでグループ各社が培ってきた開発・販売・製造に関する技術、ノウハウをすり合わせることで、さらなる「おいしさ」の追求はもとより、時短・簡便ニーズを捉えた市販用冷凍食品や総菜、宅配向けなどの商品開発に注力できる体制を整備。市場ニーズを先取りした、より加工度の高い商品開発を行うとともに、製造部門の統合などで生産性向上を図り、事業拡大と収益性の改善を図る。また、食品の加工技術とグループの低温物流機能を融合した新たな食品流通加工事業への構造転換を進める。

再編の概要

 市販用冷凍食品や総菜、宅配向け商品などの開発強化に向けて、開発・販売機能を集約する。また、ハム・デリカの製造機能と、加工・冷凍食品の製造機能をそれぞれ集約する。

  • ハム・デリカ、冷凍食品事業を行う春雪さぶーる㈱の開発・販売部門に、相模ハム㈱、大山ハム㈱の販売部門(開発・管理部門は過去に春雪さぶーる㈱に統合済み)、青果卸・加工事業を行う㈱トミイチの加工食品販売部門を統合し、春雪さぶーる㈱が「エア・ウォーターアグリ&フーズ㈱」に商号変更
  • ハム・デリカの製造事業を行う大山ハムファクトリー㈱に、春雪さぶーる㈱のハム・デリカ事業 製造部門を統合し、大山ハムファクトリー㈱が「大山春雪さぶーる㈱」に商号変更
  • ㈱トミイチの青果卸部門を新設分割し、「AW アグリトラスト㈱」を設立
  • ㈱トミイチの加工食品製造部門が、青果の加工・冷凍食品事業を行うエア・ウォーター十勝食品㈱を吸収合併して、㈱トミイチが「AW アグリフーズテクノ㈱」に商号変更

※各社の既存商品ブランド「さぶーる」「春雪」「シェフリー」「サガミハム」「大山ハム」は継続して使用する。

商号エア・ウォーターアグ
リ&フーズ株式会社
大山春雪さぶーる株
式会社
AW アグリトラスト
株式会社
AW アグリフーズテ
クノ株式会社
本社東京都品川区東品川
4 丁目13 番14 号
東京都品川区東品川
4 丁目13 番14 号
北海道旭川市永山北
1 条 10 丁目 13 番 5
北海道河西郡更別村
字更別194 番地5
代表者代表取締役社長
鹿嶋 健夫
(エア・ウォーター㈱
常務執行役員農業・食
品カンパニー長兼務)
代表取締役社長
林原 史朗
(現・大山ハムファク
トリー㈱ 取締役生産
本部長)
代表取締役社長
山田 薫
(現・㈱トミイチ 代
表取締役社長)
代表取締役社長
東 勝巳
(現・エア・ウォータ
ー十勝食品㈱ 代表取
締役社長)
事業内容ハム・デリカ商品、総
菜、冷凍野菜等の企
画、輸入、仕入および
開発、販売等
ハム・デリカ商品、総
菜等の製造等
青果の仕入および販
売等
加工食品、冷凍食品等
の製造等
資本金250百万円29百万円50百万円50百万円
売上収益約450億円(連結)約150億円約60億円約50億円
従業員数約300人約650人約100人約320人
株主エア・ウォーター㈱
100%
エア・ウォーターアグ
リ&フーズ㈱ 100%
北海道エア・ウォータ
ー・アグリ㈱ 100%
エア・ウォーター㈱
63%
エア・ウォーターアグ
リ&フーズ㈱ 37%
2021 年10 月1 日予定、売上収益は2021 年度の年間計画

特に強化する、新商品・分野

  1. 総菜調理加工食品(畜肉加工および農産加工技術を用いた総菜など)
  2. 国産冷凍野菜食品(調理用野菜ミックス食品など)
  3. 健康食、宅配食(低塩、低カロリーなど健康志向の食事キット、冷凍弁当など)