大陽日酸、ストレートスルー型と大型開口型の新型サブゼロ装置2機種を販売開始

ワンパスや大型部品の一括処理で効率的な熱処理を実現

 大陽日酸は、2 機種の新型サブゼロ装置を商品化し販売を開始した。顧客からの要望に応え、生産工程でより効率的にサブゼロ処理を行うことができる、“ワンパス処理”を実現した「ストレートスルー型サブゼロ装置」と、これまで対応できなかった大型部品を一括で処理できる「大開口型サブゼロ装置」を開発、それぞれ商品化した。

 サブゼロ処理は、鉄鋼材料などの熱処理方法の1つ で、熱入れした鋼材を液化窒素ガスによって 0 ℃以下に急速冷却することにより、金属組織を均一にさせる処理のこと。サブゼロ処理を施し金属組織を均一にすることで、金属部品の経年劣化の抑制や硬度・耐摩耗性の向上といった効果が得られる。

 このため、サブゼロ処理は 寸法精度や硬度が必要とされる自動車部品(ギヤ・ベアリング等)、航空機部品(シャフト等)、精密部品(ゲージブロック等)、工具、刃物など、多くの分野で採用されている。

 大陽日酸はこれまで、サブゼロ処理品を手動で搬入搬出させる「上扉手動開閉型サブゼロ 装置」、前面からの自動搬入搬出に対応した「前扉自動開閉型サブゼロ装置」を販売しており、100台以上の納入実績がある。

新機種の概要・特徴

1)ストレートスルー型サブゼロ装置

 前後に 2 つの自動扉を持ち、生産工程における自動搬送機器と組み合わせることで、前扉から搬入した サブゼロ処理品を後扉から搬出することが可能。これにより、搬入出における往復動作がなくなり、処理品の搬送設備台数や搬送時間を半減でき、顧客の生産 設備全体のコスト低減や作業効率の向上に大きく貢献する。

ストレートスルー型サブゼロ装置。装置前方から(左)と模式図
ストレートスルー型サブゼロ装置。装置前方から(左)と模式図

2)大開口型サブゼロ装置

 最大 1.8m の開口幅に対応し(有効寸法)、従来処理が難しかった大型部品のサブゼロ処理を可能とした。本装置も装置片側に自動扉を設け、自動搬送機器に対応する。

最大1.8メートルの開口幅の大開口型サブゼロ装置
最大1.8メートルの開口幅の大開口型サブゼロ装置

いずれの装置も配置や構成の最適設計を行い、処理時間短縮や庫内温度、液化窒素ガス使用量を最適化した。