岩谷産業と神戸市、阪神国際港湾、丸紅が神戸港カーボンニュートラルポート形成に向けた水素利活用モデル調査の開始

 岩谷産業と神戸市(市長:久元 喜造)、阪神国際港湾株式会社(代表取締役社長:外園 賢治/以下、「阪神国際港湾」)、丸紅株式会社(代表取締役社長:柿木 真澄/以下、「丸紅」)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(理事長:石塚博昭/以下、「NEDO」)による「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発」の枠組みにおいて、「神戸港カーボンニュートラルポート形成に向けた水素利活用モデル調査」(以下、「本調査」)を受託した。

「神戸港カーボンニュートラルポート形成に向けた水素利活用モデル調査」
「神戸港カーボンニュートラルポート形成に向けた水素利活用モデル調査」 のイメージ

 港湾は、輸出入貨物の 99.6%が経由する国際サプライチェーンの拠点となっており、同時に港湾を含む臨海部(以下、「港湾エリア」)はエネルギーの一大消費拠点であり、CO2 排出量の 6 割を占めるエリアになる。脱炭素社会の実現に向けては、港湾エリアのカーボンニュートラル化の実現が必要不可欠であり、実現への道筋を示していく事が重要となる。

 神戸港においては、国土交通省近畿地方整備局及び神戸市港湾局が事務局を務める、神戸港カーボンニュートラルポート検討会が開催され、神戸港を対象として CO2 排出量・削減ポテンシャルの推計、水素需要ポテンシャルや利活用が検討されてきた。丸紅、岩谷産業、及びデロイト トーマツ コンサルティングが事務局として参画する「神戸・関西圏水素利活用協議会」(以下、「協議会」)においても、2030 年頃の海外輸入水素を前提に神戸港のカーボンニュートラルポート(以下、「CNP」)化における水素需要ポテンシャルを議論してきた。

 本調査では、水素利活用やエネルギー需要調査実績のある神戸市と阪神港のコンテナターミナルを管理・運営する阪神国際港湾を中心に、神戸港及び隣接する市街地における荷役機械やモビリティの水素需要を調査する。電力需要についても CNP 形成に向けた水素の利活用を整理した上で、自立型水素発電等による水素需要ポテンシャルを試算する。また、国内で随一の液化水素供給実績を持つ岩谷産業が、それら需要を賄うための水素供給システム(水素供給源、輸送・貯蔵方法、コスト)の検討を行い、化石エネルギーのサプライチェーン構築や水素サプライチェーン調査事業の実績を持つ丸紅が水素利活用のビジネスモデルや神戸港の CNP 形成に関わる経済性を含めた水素サプライチェーンの検討を行う。

 本調査は、神戸港 CNP 検討会、協議会の各参加事業者とも連携し、協力を得ながら、将来の実証・実装につながるよう検討を進め、2022 年度までに調査結果をまとめる予定。