東京ガスケミカルが各種ガス価格の値上げ

セパレートガス・ヘリウムは3月出荷分、液化炭酸ガスは4月出荷分から

 東京ガスケミカルは酸素・窒素・アルゴンのセパレートガスと液化炭酸ガス、ヘリウムの販売価格をそれぞれ値上げする。セパレートとヘリウムは2022年3月出荷分から、液化炭酸ガスは2022年4月出荷分から実施する。

 値上げ幅は酸素・窒素・アルゴンが現行価格に対し10%以上の値上げ、ヘリウムガスが現行価格に300円/㎥、液化ヘリウムが現行価格に300円/リットルの値上げ。液化炭酸ガスは現行価格に対し15%以上の値上げとなる。

 値上げの理由は、セパレートガスについては「エネルギー市況高騰による電力料金の大幅な上昇」と、乗務員不足等に起因した「物流コストの上昇」を挙げている。

 ヘリウムについては、世界のヘリウムガス供給が米国とカタールが主たる供給源となる地理的に偏在された希少な天然資源であり、「供給元プラントにおける相次ぐトラブル」と、「世界的な物流網の大混乱」により、安定した調達量の確保が極めて厳しい状況にあるとした。

 また、液化炭酸ガスについては、全国的な液化炭酸ガスの原料元ソースプラント(製油所・化学品工場)の相次ぐ停止や減産で、同社の主要液化炭酸ガス製造プラントにおける「原料元ソースプラントからの原料送気量の減量」と、原料確保のための「原料調達コストの大幅な上昇」が理由としている。

 東京ガスケミカルでは、いずれについても徹底した物流効率化や生産性の向上、最適な製造設備の更新、製造コストの圧縮、サプライチェーンの確保、などの取り組みを行ってきたが、自助努力で吸収できる範囲を大幅に超えているため価格改定を決定したとしている。