昭和電工「川崎プラスチックリサイクル(KPR)」の使用済みプラスチックリサイクル量が累計100万トンを達成

使用済みプラスチックを高温でガス化、分子レベルまで分解して水素と二酸化炭素へ

 昭和電工が、川崎事業所(神奈川県川崎市)で行う、使用済みプラスチックを化学品原料にリサイクルする「プラスチックケミカルリサイクル事業」(「川崎プラスチックリサイクル(KPR)」と呼称)が、2022年1月、使用済みプラスチックのリサイクル量累計100万トンを達成した。

 川崎事業所では、2003年から容器包装リサイクル法に基づき、使用済みプラスチックをKPRで受け入れて化学品原料にリサイクルするケミカルリサイクル事業を行っている。

 KPRでは、受け入れた使用済みプラスチックを高温でガス化し分子レベルまで分解して水素と二酸化炭素を取り出し、水素は主に同社製品である低炭素アンモニア(製品名「エコアン®」)の原料に、二酸化炭素はグループ会社の昭和電工ガスプロダクツでドライアイスや炭酸飲料向けに使用している。

 昭和電工は、ガス化ケミカルリサイクルによる低炭素水素を利用したアンモニアを世界で唯一、長期にわたり生産しており、2015年より環境省の「地域循環型水素地産地消モデル実証事業」に採択されているほか、2016年の「エコマークアワード銀賞」受賞、2020年の「グリーン購入ネットワーク経済大臣賞」受賞など、その取り組みは高く評価、期待されている。

「川崎プラスチックリサイクル(KPR)」外観

 昭和電工は1931年に川崎事業所で日本最初の国産技術を使ったアンモニアの生産に成功して以来90年にわたり、アンモニアの安定供給に大きく貢献してきた。今後もこのケミカルリサイクル事業と多年にわたって蓄積されたノウハウを活かし、サステナビリティ戦略を代表する事業のひとつとして、積極的に脱炭素社会・循環型社会の構築に貢献する。