エア・ウォーター物流が食品残渣を活用した飼料(エコフィード)の製造に着手

かぼちゃの種・ワタを飼料化し、食品リサイクルと畜産農家の課題解決に貢献

 エア・ウォーターグループのエア・ウォーター物流株式会社(以下、エア・ウォーター物流)は、グループの食品工場などから回収したかぼちゃの加工残渣をフレーク化し、主に畜産農家へ牛用飼料として供給するエコフィード事業を本格的に開始した。

エア・ウォーター物流 エコフィード製造
食品工場における種・ワタ除去作業(左)、加工工場における残渣原料のライン投入(中)、フレーク化し、飼料として提供(右)

 製造を開始した「エコフィード(eco-feed)」とは、食品残渣を原料として製造された家畜用飼料を意味する。食品リサイクルによる資源の有効活用のほか、畜産業界の課題である飼料自給率の向上などにも寄与することから、SDGs の観点からも注目を集めている取り組み。

 エア・ウォーター物流では従来から、一般飼料の輸配送や産業廃棄物の収集・運搬を展開しており、こうした事業の一環として、豆腐の製造工場などで廃棄されるおからを飼料として畜産農家に販売する取り組みを行ってきたが、今回、北海道旭川市に所在するグループ施設内に幅広い食品残渣の飼料化に対応する加工ライン設備を新たに設け、既存事業をさらに発展させる形で本格的な事業化に着手した。

 本事業では、農産加工を担うグループのAW アグリフーズテクノ㈱がこれまで廃棄物として処理していたかぼちゃの種やワタなどを、新設した加工ラインを用いて飼料化することで、食品ロスの低減に貢献している。なお、本飼料の加工工程に関しては、エア・ウォーター物流より特許を出願中。

 本商品は、かぼちゃの部位の中で、未利用ながらも栄養の詰まっている種・ワタを原料としており、βカロテン、タンパク質、繊維などが豊富に含まれる。従来の化学合成品とは異なる、天然植物由来のサプリメント(飼料添加物)であるため、より安心して利用することができ、また、牛にとっての嗜好性が高いため、単体で与えることも、従来飼料に添加して与えることも可能としている。また、乾燥フレークなので、保存に適し、取り扱いも容易。

 現在、エア・ウォーター物流では、葉物野菜のくずや青果物の搾りかすなど、他の残渣を原料とした飼料開発にも着手している。今後も、グループの事業ネットワークと自社物流網を活用し、北海道のみならず全国へ販売活動を広げ、エコフィード事業の拡大を通じて食品ロスの低減に貢献する。

工場概要

  1. 名称:エア・ウォーター物流㈱ 食品副産物加工工場
  2. 所在地:北海道旭川市工業団地5 条3 丁目5-17
  3. 面積:延床面積約500 ㎡
  4. 製造能力:年間約300 トン

エア・ウォーター物流株式会社の会社概要

  1. 所在地:北海道札幌市豊平区月寒東2 条16 丁目1 番6 号
  2. 代表者:代表取締役社長 細川 昇
  3. 設立:1962 年5 月12 日
  4. 事業内容:一般貨物運送事業、食品物流事業、血漿・医薬品輸送事業、産業・医療廃棄物収集運搬事業、倉庫事業、各種高圧ガス輸送