エア・ウォーター、初のサステナビリティボンド発行
環境や社会課題の解決に貢献する事業の資金調達
エア・ウォーターは、環境や社会課題の解決に貢献する事業の資金調達手段として、同社初となるサステナビリティボンド(以下、「本社債」)を発行する。
発行の目的・背景
エア・ウォーターグループは、パーパス(存在意義)である「地球の恵みを、社会の望みに。」をコンセプトに、多様な経営資源を活かし、企業価値の向上に取り組んでおり、特にサステナビリティに関しては、2050年の目指す姿を「サステナブルビジョン」として描き、地球、社会との共生による循環型社会の実現を目指している。
さらに、2030年に向けた事業構想として、今後到来する社会環境の大きな変化を踏まえ、エア・ウォーターグループが果たすべき社会的価値の視点から、各事業が目指す事業領域のベクトルに、気候変動やスマート社会に対応する「地球環境」と、人生100年時代や世界人口の増加に対応する「ウェルネス(健やかな暮らし)」という2つの成長軸を定めた。また、これらの成長軸に沿って、経営資源である多様な事業、技術、人材をグループ全体で最適化し、グループシナジーによる新事業を創出するため、グループの広範囲な事業領域を「デジタル&インダストリー」「エネルギーソリューション」「ヘルス&セーフティー」「アグリ&フーズ」の4つに区分して事業のマネジメントを行っている。
今回、「エネルギーソリューション」「ヘルス&セーフティー」及び「アグリ&フーズ」に係るプロジェクトの資金調達手段として、本社債を発行する。
本社債の概要
名称 | エア・ウォーター株式会社第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(サステナビリティボンド) |
発行総額 | 100億円 |
年限 | 5年 |
発行時期 | 2022年6月(予定) |
資金使途 | 以下のプロジェクトに対する新規支出及び既存支出のリファイナンスに充当予定・株式会社プラスの株式取得・健都イノベーションパークにおけるオープンイノベーション推進施設の建設に係る土地取得及び設備投資・地球の恵みファームにおける設備投資 |
ストラクチャリング・ エージェント※ | 大和証券株式会社 |
主幹事証券会社 | 大和証券株式会社 |
※「ストラクチャリング・エージェント」とは、サステナビリティファイナンス・フレームワークの策定やセカンドオピニオン等の外部評価の取得に関する助言等を通じて、サステナビリティボンドの発行支援を行う者のこと。
サステナビリティファイナンス・フレームワークの策定及び外部評価の取得
本社債発行にあたっては、国際資本市場協会(ICMA)が定めるサステナビリティボンド・ガイドライン等(以下、「原則等」)に基づき、①調達資金の使途、②プロジェクトの評価及び選定プロセス、③調達資金の管理、④レポーティング等の方針を記載した「サステナビリティファイナンス・フレームワーク」(以下、「本フレームワーク」)を策定した。
また、本フレームワークについて、第三者評価機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)より、原則等と整合的である旨のセカンドオピニオンを取得している。
■サステナビリティファイナンス・フレームワークの開示先URL
https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/finance/main/01/teaserItems1/01/linkList/0/link/sustainability_finance_framework001.pdf
■R&Iセカンドオピニオンの開示先URL
https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/finance/main/02/teaserItems1/010/linkList/0/link/second%20opinion001.pdf
資金使途の詳細
本社債にて調達した資金は、以下のプロジェクトに対する新規支出及び既存支出のリファイナンスに充当する予定。
適格プロジェクト | 概要 |
地産地消の推進、食品ロス・廃棄の低減、地域農業振興に係るM&A(株式会社プラスの株式取得) | 株式会社プラスの株式取得・株式会社プラスは、農産物直売所「産直市場よってって」を和歌山県、大阪府、奈良県で運営し、農家の販売支援、良質で安価な農産物の提供、地域の雇用創出、地産地消に貢献する、生産者・消費者・従業員・地域の“四方良し”のビジネスモデルを構築・当社は、食料の生産から流通までのサプライチェーンにおける食品ロス・廃棄問題への取組に係るプロジェクトの一環として、株式会社プラスをグループ化・産直ビジネスを通じた、フードマイレージ低減はもとより、農家の栽培支援、販路拡大などによる地域農業の振興に寄与するとともに、当社グループ全体の加工技術・機能の強化による規格外農産物の廃棄ロス低減を図る |
地方自治体等と連携した最先端医療・医療技術のオープンイノベーション推進施設の建設(健都イノベーションパーク) | 健都イノベーションパークにおけるオープンイノベーション推進施設の建設に係る土地取得及び設備投資・当社は大阪府吹田市及び国立循環器病研究センターと連携協定を締結し、健都イノベーションパークにおいてオープンイノベーション推進施設を開業予定・本施設での主な取組は「医療クラスターの形成」「健康寿命延伸への貢献」「地域経済への貢献」・人々の「くらし」を創造、発信する拠点として、医療や福祉、介護、農業、食品分野を融合することで、地域とのつながり、事業者とのつながりを誘発し、「すこやかなくらし」にまつわる幅広い事業を新しい知恵と発想で創出 |
脱炭素エネルギー事業に係る設備投資(地球の恵みファーム) | 地球の恵みファームにおけるメタン発酵やバイオマスガス化発電に係る設備投資・地球の恵みファームは、当社が長野県松本市に建設予定の施設であり、そこでは地域バイオマス資源を利用した発電事業(ガス化、メタン発酵)と並行して、排熱・排CO2を陸上養殖や農産物の施設栽培に活用、相乗効果による高効率化の検証を行う・主に食品残渣をメタン発酵の原料とし、再生可能エネルギー発電につなげるなど、更なる食品ロスの低減を目指していく |
参考
2021年11月8日付ニュースリリース
農産物直売所「産直市場よってって」を運営する㈱プラスのグループ入りについて ~全国の食品物流ネットワークを活用、地域事業会社との協業で農産事業を全国展開へ~
https://www.awi.co.jp/ja/business/news/news-7686703340697548891.html
2021年5月26日付ニュースリリース
国立循環器病研究センターと連携協定を締結 ~健都イノベーションパークに、オープンイノベーション推進施設を23年4月開業~
https://www.awi.co.jp/ja/business/news/news898712253840278364.html
健都イノベーションパークウェブサイト
https://kento.osaka.jp/area/innovation/aw/