エア・ウォーター農園のCO2 排出削減プロジェクトが「J-クレジット制度」へ登録
木質バイオマスガス化発電によるトマト農園への廃熱供給でカーボンニュートラル実現
エア・ウォーターグループで、トマト栽培事業を行う農地所有適格法人 株式会社エア・ウォーター農園が実施する CO2 排出削減プロジェクト(以下、本プロジェクト)が、2022年6 月30 日付で国によって認証される「J-クレジット制度」の登録を受けた。
エア・ウォーターグループは脱炭素社会の実現に向けて、2050 年までに自社の事業活動におけるカーボンニュートラルの達成とともに、サプライチェーン全体でも脱炭素化を目指している。「J-クレジット」を通じてCO2削減の取り組みをさらに推進していくとともに、社会のカーボンニュートラル実現に貢献する。
「J クレジット制度」とは、様々な技術によって削減・吸収されたCO2排出削減量を定められた方法論に従い適切に数値化し、国がクレジットとして認証をする制度。このクレジットは売買が可能であり、創出されたクレジットは、温対法での活用やカーボンオフセット等に利用することができる。
エア・ウォーターはエア・ウォーター農園の安曇野菜園(長野県安曇野市)敷地内に安曇野バイオマスエネルギーセンターを設け、木質バイオマスガス化発電設備を導入。2021 年7 月より、発電の過程で発生する廃熱およびCO2を多く含む排ガスをトマト農園に供給する「トリジェネレーション事業」を開始した。本プロジェクトは、この廃熱供給がそれまでトマト農園の保温に使用していたLPG 燃料に代替することで削減できるCO2排出量を対象にクレジットを創出する。
また、「J-クレジット」という国の認証を通じてCO2削減量を明確化することで、CO2削減の取り組みをさらに推進していくとともに、サプライチェーンや社会のカーボンニュートラル実現につなげていく。今後は、様々な事業において本制度の展開を検討し、さらなるカーボンニュートラル社会への貢献を図るとしている。
本プロジェクトの概要
- 概要: トリジェネレーションから発生する未利用廃熱を再利用することにより、それまでLPG 燃料で運用していたボイラの熱の一部として燃料代替を行い、CO2排出量の削減を図る。
- 実施場所: 長野県安曇野市三郷温6200 番地
- 適用する方法論:
- 未利用廃熱の熱源利用
- バイオマス固形燃料(木質バイオマス)による化石燃料又は系統電力の代替
- 認証予定期間: 2022 年3 月31 日~2030 年3 月30 日
- J-クレジット保有者: 株式会社エア・ウォーター農園
- プロジェクト登録番号: 309
- CO2排出削減量: 年間約600t
(参考)株式会社エア・ウォーター農園 安曇野菜園の概要
- 所在地: 長野県安曇野市三郷温6200 番地
- 土地面積: 約10.2ha
- 施設面積: 約5.7ha
- 栽培面積: 約4.8ha
- 生産品目: 生鮮トマト(1,800t/年)
(参考)安曇野バイオマスエネルギーセンターの概要
- 設置場所: 長野県安曇野市三郷温6208 番地
- 発電形式: ガス化・エンジン方式
- 発電出力: 1,960kW
- 使用燃料: 木質バイオマス(年間使用量:25,000t)
- 運転開始時期:
- コジェネレーション(発電+熱供給)事業開始 2020 年4 月
- ガス化発電方式による「トリジェネレーション事業」開始:2021 年7 月