石炭ガス化燃料電池複合発電所から回収したCO2を有効利用する実証開始
大崎クールジェンで回収したCO2を液化し、日本液炭が世羅菜園へ運搬
電源開発株式会社(以下「Jパワー」)および中国電力株式会社(以下「中国電力」)の両社が共同で設立した大崎クールジェン株式会社(以下「OCG」)は、世羅菜園株式会社(以下「世羅菜園」)、日本液炭と、発電所から回収した CO2 を有効利用する実証試験を2022年7月27日から開始する。
CO2 は地球温暖化につながる温室効果ガスの一つだが、炭酸飲料などの食料品やドライアイス、作物の生育増進など、広く身近に利用されている。
供給安定性に優れる石炭火力を将来にわたって活用していくため、OCG では石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)と CO2 分離・回収を組み合わせた革新的低炭素石炭火力発電の実現を目指しており、本実証試験は、回収した液化 CO2を輸送・有効利用する取組みとなる。
具体的には、OCG において発生した CO2 を回収、液化し、日本液炭が世羅菜園のトマト温室に移送する。世羅菜園のトマト温室では、これまでも光合成を促すために CO2 を利用しているが、本実証試験では OCG で液化した CO2 に置き換え、活用する。回収したCO2 を液化・輸送・有効利用するカーボンリサイクルの一貫プロセスの実証は、国内初の取組み。
日本政府は 2050 年カーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言しているが、国内のCO2 利用量は排出量を大きく下回っており、その実現に向けては、企業もカーボンリサイクルの技術開発にチャレンジしていくことが求められる。J パワー、中国電力、OCG、世羅菜園、日本液炭の 5 社は、本実証試験により CO2 の有効利用の可能性を追求することで、カーボンニュートラル実現に貢献する。