昭和電工 2022年12月期第3四半期連結決算

電子材料用高純度ガスを含む半導体前工程材料は増収、産業ガスを含む化学品は価格転嫁タイムラグで営業利益が減少

 昭和電工の2022年12月期第3四半期連結決算は、売上高1兆0341億5200万円(前年同期比1.7%減)、営業利益535億3600万円(同25.6%減)、経常利益641億2500万円(同12.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益354億5100万円(前年同期は103億3000万円の赤字)となった。

関連するセグメント別概況

【半導体・電子材料セグメント】

 前年10-12月期のプリント配線板事業譲渡の影響を受け、また足元では半導体生産に調整の動きが見られるものの、年初からの旺盛な半導体需要を背景に半導体前工程材料、半導体後工程材料ともに増収、デバイスソリューションは主にデータセンター向けのHDメディアの数量増により増収となり、総じて増収となった。売上高は3323億2200万円(前年同期比7.1%増)、営業利益は原材料価格高騰の影響を受けたものの、売上高の増加により、398億2300万円(同15.1%増)となった。

【ケミカルセグメント】

 石油化学は4年に一度の大型定修はあったものの、ナフサ価格高騰による販売価格の上昇により売上高は前年同期比で増加した。営業利益は大型定修による販売数量減少やスプレッド縮小により減少した。化学品は原燃料価格高騰の影響を受けた販売価格上昇により売上高は増加したものの、営業利益は価格転嫁タイムラグにより減少した。黒鉛電極は主に販売価格上昇により売上高、営業利益ともに増加した。売上高は3769億7600万円(前年同期比23.8%増)、営業利益は193億2100万円(同37.5%減)。

通期業績予想を下方修正

 通期の業績予想を売上高1兆4100億円(前回予想から900億円減)、営業利益560億円(同280億円減)、経常利益620億円(同230億円減)、親会社株主に帰属する当期純利益220億円(同100億円減)に下方修正した。

 売上高は主に半導体・電子材料、ケミカルの2セグメントでの減少が見込まれるとした。営業利益に関しては、売上高予想の下方修正、原材料価格やエネルギーコスト上昇の影響により通期予想を下方修正する。それに伴い、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益も通期予想を下方修正する。