エア・ウォーターグループ、エレクトロニクス事業を統合再編
半導体デバイスメーカー向け事業強化とメカトロニクス事業への転換
エア・ウォーターグループは、2023 年4 月1 日付でグループ全体のエレクトロニクス事業を統合再編(以下、「本統合再編」)する。社会のデジタル化に伴って拡大を続ける半導体市場に向け、グループが保有する事業と技術を結集し、一体となって需要構造の変化や顧客の多様なニーズに迅速かつ的確に対応することによって、エレクトロニクス事業のさらなる拡大を図る。
本統合再編の骨子
エア・ウォーターグループ全体のエレクトロニクス事業を、半導体デバイスメーカーに対する産業ガスや特殊ケミカルの供給事業と、半導体製造関連をはじめとした機器装置事業の 2 つに機能分化し、それぞれの事業領域において統括的な事業推進の役割を担う中核事業会社 2 社を設置して、エア・ウォーター本体及び関連するグループ会社の事業機能をそれぞれ集約統合する。
本統合再編の目的
グループのエレクトロニクス事業は、半導体デバイスメーカーに対する窒素等の産業ガス供給をコア事業として、特殊ケミカル材料やその供給機器、ガス精製装置、スラリー供給装置ほか、ドライアイス精密洗浄システムなどのガスアプリケーション機器も含めて、半導体デバイスの製造にかかわる多様な周辺事業から構成されている。
半導体デバイスの製造において、産業ガスや特殊ケミカル材料は、継続的な安定供給が不可欠となる ユーティリティーとしての性質を有しており、その供給事業は、半導体デバイスメーカーとの長期継続的な取引実績に裏付けられた信頼関係の下に成立するビジネスになる。本統合再編では、半導体デバイスメーカー向けに特化した中核事業会社を設立し、グループの事業機能を統合することによって、国内をはじめ世界的に生産能力の増強を続ける半導体デバイスメーカーの需要拡大と多様なニーズに対応できる事業体制を構築する。
一方、機器装置事業は、半導体デバイスの製造プロセスにおける微細化、高機能化に加え、省エネルギーなどの環境性能も重視されるなど、技術開発やソリョーション提案が今後の競争力強化において不可欠となる。本統合再編では、エア・ウォーターグループが保有する機器装置の開発、製作、営業などのリソースを母体となる中核事業会社に集約統合するとともに、機器装置事業のシステムインテグレーション化を進めることで、従来の機器装置単体での販売体制から複合提案力を高めたメカトロニクス事業への転換を図っていく。
本統合再編の概要
(1)産業ガス、特殊ケミカル供給事業
半導体デバイスメーカー向けに特化した新会社「エア・ウォーター・エレクトロニクス株式会社」を設立し、2023 年4 月1 日付をもって、エア・ウォーターの大型バルクガス事業と機器装置分野を除くエレクトロニクス関連事業を同社に移管するとともに、関連事業会社であるエア・ウォーター・ダイオー株式会社を吸収合併の方法により同社に統合する。
(2)機器装置事業
2023 年1 月3 日付をもって、日本パイオニクス株式会社の商号を「エア・ウォーター・メカトロニクス株式会社」に変更し、同年4 月1 日付をもって、エア・ウォーターエレクトロクニス関連事業の機器装置分野を同社に移管するとともに、関連事業会社であるエア・ウォーター・ベルパール株式会社の機器装置事業及びエア・ウォーター・プラントエンジニアリング株式会社のガスアプリケーション機器製作事業を会社分割の方法によりそれぞれ同社に移管する。
また、同日付をもって、「エア・ウォーター・メカトロニクス株式会社」は、エア・ウォーターが保有する日本電熱株式会社及びメカトロ・アソシエーツ株式会社の全株式を取得し、両社をそれぞれ同社の完全子会社とする。
(3)その他
本統合再編後、エア・ウォーターのエレクトロニクス関連事業は、グループのエレクトロニクス事業全体の戦略策定、大型投資を伴う大規模プロジェクト、海外関連案件等に特化した事業機能を担う。
また、本統合再編によって機器装置事業を会社分割したエア・ウォーター・ベルパール株式会社には、フェノール樹脂をはじめとした機能材料事業が残るが、同社は、2023 年 4 月 1 日付をもって、吸収合併の方法により、機能材料事業の中核会社であるエア・ウォーター・パフォーマンスケミカル株式会社に統合する。
本統合再編において母体となる中核事業会社の会社概要 ※2023 年4 月1 日時点(予定)
(1)エア・ウォーター・エレクトロニクス株式会社
- 名称 エア・ウォーター・エレクトロニクス株式会社
- 本店所在地 大阪府守口市
- 事業内容 半導体関連向けガス及び特殊材料の販売、各種工事の施工
- 資本金 90 百万円
- 設立 2023 年1 月26 日(予定)
- 株主 エア・ウォーター㈱ 100%
- 主要拠点 大阪府守口市、茨城県つくば市、富山県魚津市/砺波市 他
(2)エア・ウォーター・メカトロニクス株式会社
- 名称 エア・ウォーター・メカトロニクス株式会社(旧商号:日本パイオニクス株式会社)
- 本店所在地 神奈川県平塚市
- 事業内容 半導体関連向け各種機器装置の製造・販売
- 資本金 300 百万円
- 設立 1962 年7 月6 日(2023 年1 月3 日:商号変更予定)
- 株主 エア・ウォーター㈱ 100%
- 主要拠点 神奈川県平塚市、大阪府大阪市 他
<統合後の中核事業会社2 社の年間売上規模及び従業員数>
- エア・ウォーター・エレクトロニクス株式会社 売上規模:約150 億円、従業員数:約100 名
- エア・ウォーター・メカトロニクス株式会社※ 売上規模:約250 億円、従業員数:約450 名(※日本電熱株式会社及びメカトロ・アソシエーツ株式会社を含む)