エア・ウォーター・マテリアルが、台湾の半導体関連ガス事業会社を子会社化

「台湾宏廣新技股份有限公司」の第三者割当増資を引き受け

 エア・ウォーターグループの半導体関連製品、化学工業薬品等の専門商社であるエア・ウォーター・マテリアル㈱(以下、AW マテリアル)は、2022 年 3 月に出資(出資後の株式保有比率 21.9%)した台湾で半導体関連ガス事業を手掛ける台湾宏廣新技股份有限公司(以下、HK社)に対して、同年12月に同社が実施した第三者割当増資を引き受ける方法により同社株式を追加取得し、子会社化した。

 HK 社は半導体メーカー各社の増産の動きを受け、台湾に半導体関連ガスの精製プラントを新設するなど、ガス供給事業を強化している。今回の追加出資によって HK 社が有する顧客ネットワークをさらに活用し、今後も半導体市場の拡大が期待される台湾はもとより、日本国内も含めた世界各地の半導体メーカーに対して、半導体関連ガスのほか、特殊ケミカル材料やガス精製装置といった周辺分野を含めて提案を強化する。

HK社が台南市で建設中のガス精製拠点
HK社が台南市で建設中のガス精製拠点

※2022 年 4 月 26 日付、ニュースリリース「台湾で半導体関連ガス事業を手掛ける台湾宏廣新技股份有限公司に出資」参照

 HK社は2010年に設立された商社で、台湾において液化炭酸ガス、亜酸化窒素、フッ素系ガスなどの半導体関連ガスを販売している。現在、同社は、メーカー機能の強化に向け、台南科技工業区(台南テクノロジー・インダストリアルパーク)でガス精製プラントの建設を進めており、2023 年 3 月に完工する予定。

 炭酸ガスを月間 600 トン、亜酸化窒素を同 80 トン精製可能で、フッ素系ガス倉庫 1 棟も備え、周辺の最新鋭半導体工場へのガス供給事業を強化する。

 エア・ウォーターグループは2022年4月の組織改革により、半導体製造に関わるガスとケミカルの事業領域を融合し、加速度的に成長するデジタル分野に様々な商材・サービスを提供することで、半導体関連の総合メーカーとしてのポジション確立を目指している。

 AW マテリアルはこうした事業方針の下、エレクトロニクス分野向けの高純度ケミカル、電気絶縁材料、樹脂成型品などの幅広く化学製品を取り扱っており、HK 社への追加出資を通じて同社の顧客ネットワークを活かし、台湾はもとより日本国内も含めた半導体メーカー各社との関係強化に取り組む。

出資について

  1. 出資者:エア・ウォーター・マテリアル株式会社
  2. 出資日:2022年12月28日
  3. 出資額:1.8億台湾ドル(約8.3億円) ※出資後の株式保有比率50.1%(議決権割合)

HK社会社概要

  1. 正式名称:台湾宏廣新技股份有限公司(Hong-Kuang Hi-Tech, Co., Ltd.)
  2. 設立年:2010年
  3. 代表者:董事長 林菊梅
  4. 本社所在地:台湾竹北市嘉豊南路二段76號5楼2
  5. 資本金:82百万台湾ドル(約3.7億円)
  6. 事業内容:エレクトロニクス向け特殊ガスの販売

(参考)エア・ウォーター・マテリアル株式会社 会社概要

  1. 設立:2003年8月1日(創業:1661年)
  2. 代表者:代表取締役社長 東本和行
  3. 本社所在地:東京都港区浜松町2丁目13番7号
  4. 資本金:150百万円
  5. 事業内容:下記製品に関する国内販売ならびに輸出入業務
    • ①電気絶縁材料 ②電気電子材料および部品 ③機械器具およびシステム製品 ④化学工業製品および部品 ⑤化学工業薬品 ⑥高圧ガス ⑦食品添加物 ⑧各種産業資材、包装材料
  6. (6)株 主:エア・ウォーター株式会社(出資比率:99.8%)