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エア・ウォーターが医療事業を再編、AWメディカルに機能を集約

決算・人事

医療機器・介護用製品の開発・製造・販売・保守の一貫体制を構築し、製品開発を強化

 エア・ウォーターは、医療機器分野を中心とした医療事業の強化を目的に、グループが保有する人材と技術を結集させるため、同社のメディカルプロダクツユニット内の医療事業の一部を会社分割により、2023年7 月1 日をもって、完全子会社であるエア・ウォーター・メディカル㈱(AWメディカル)に承継させることを2023年3月16日開催の取締役会において決議した。

 これにより、人々の健康増進、医療従事者の負担軽減などにつながる医療機器・介護用製品の開発・製造・販売・保守の一貫体制を構築し、医療現場の様々なニーズをこれまで以上に的確に捉えた製品開発に注力する。

※本決議の詳細については、2023 年3 月16日付適時開示「当社と完全子会社間の会社分割(無対価での吸収分割)に関するお知らせ」を参照。

本再編の背景・目的

 エア・ウォーターのヘルス&セーフティー(医療関連)事業は、医療用酸素のリーディングカンパニーとして医療用ガスの供給とともに、周辺領域として医療機関や介護施設、患者の自宅などで使用される医療機器や介護用製品といった関連事業を拡大してきた。新型コロナウイルス感染症の感染拡大にあたっても、医療用酸素の安定供給はもとより酸素濃縮装置の増産・出荷体制を敷くなど、刻々と変化する医療現場のニーズに対応している。

 一方、国内の医療を取り巻く環境は、超高齢社会に対応した「地域包括ケアシステム」の構築が進められ、在宅医療の重要性も高まっている。また、医療従事者の絶対数は不足しており、医師の労働環境改善・健康確保を目的とした改正医療法の施行が2024 年4 月に予定されるなど、「医師の働き方改革」の実現に向けた具体的方策の検討が急務となっている。さらに、セルフメディケーションの考え方も浸透し、健康に関心を持つ消費者も増加している。

 こうした中、エア・ウォーターは従来の医療という枠に収まることなく、人々の健康増進、医療従事者の負担軽減、在宅患者のQOL(生活の質)向上につながる医療機器や介護用製品の開発・製造・販売を推進するため、グループが保有する人材・技術などのリソースをAWメディカルに集約する。AWメディカルを医療事業の中核会社と位置づけ、製品の開発から製造、販売、保守の一貫体制によるサービスレベルの向上とともに、使いやすさ・省力化・DX 推進など医療現場の様々なニーズをこれまで以上に的確に捉えた製品開発に注力する。

 将来的には在宅・リハビリ領域のヘルスケア製品、医療のデジタル化などを今後の事業の柱として成長させることで、従来の医療の枠を越えた“ヘルスケア企業”への変革を推進し、より多くの人々のウェルネス(健やかな暮らし)と、持続可能な地域医療提供体制の実現に貢献する。

エア・ウォーター・メディカル株式会社 会社概要 ※2023 年7 月1 日時点(予定)

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