岩谷産業が三菱重工と液化水素昇圧ポンプの開発・販売で覚書締結

エネルギー消費量を約 1/10 に抑制、大型燃料電池車向けなど需要の拡大が見込まれる水素ステーションへの適用を目指す

 岩谷産業と三菱重工業株式会社(本社:東京、社長:泉澤清次、資本金:2,656 億円)は、カーボンニュートラル社会実現に向けた革新的な水素供給システムを構築するために、液化水素昇圧ポンプの開発・販売に向けた覚書を締結することに合意した。今回の覚書締結を足掛かりとし、三菱重工が開発した液化水素昇圧ポンプ(90MPa 級)を用いて、国内向け液化水素ステーションの最適化および各設備を合理化したパッケージ開発を岩谷産業と共同で進める。また、国内での水素発電設備および液化水素受入基地に三菱重工製の液化水素昇圧ポンプが適用・導入できるように、検討する。

 岩谷産業が今まで培ってきた水素の貯蔵、輸送、ハンドリング技術、水素ステーションの建設・運営における経験、液化水素に関する技術や知見と、三菱重工の製品開発力および高度なエンジニアリング力を合わせることで、水素エネルギー社会の実現に向けて貢献するとしている。

液化水素昇圧ポンプ

 液化水素昇圧ポンプは、水素を液体状態で昇圧することによって、気体の水素を昇圧する方式に比べて、エネルギー消費量を約 1/10 に抑えることが出来、水素社会における環境負荷低減に貢献する。三菱重工は、これまで、原子力発電所向けをはじめ、各種産業用のポンプについて、多くの納入実績がある。このなかで培った技術と経験のもと、液化水素昇圧ポンプ(90MPa 級)を開発済み。今後、大型の燃料電池車(バス、トラックなど)を中心に需要の拡大が見込まれる水素ステーションへの適用を目指す。