エア・ウォーター、大阪・関西万博「グリーン万博」でCO2回収を実証
次世代型CO2回収装置の実証機を設置、会場内の燃焼排ガスからCO2を回収、冷却用ドライアイスとして活用するほか、メタネーションの原料として他社に供給
エア・ウォーターは2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)「未来社会ショーケース事業出展※1」のうち、「グリーン万博」に出展し、会場内から排出されるCO2の回収実証を行うことを決定した。
エア・ウォーターグループは、長年培ってきたガス製造・エンジニアリングやドライアイス国内トップシェアメーカーとしての知見を活かし、CO2を回収し有効利用するための技術開発に注力してきた。2022年には、低濃度(CO2濃度約10%)の燃焼排ガスからCO2を効率的に回収できる小型CO2回収・ドライアイス製造装置「ReCO2 STATION」を開発するなど、脱炭素社会実現に向けた取り組みを進めている。
2025年大阪・関西万博において、カーボンリサイクルに関する最新技術を実装するため、「未来社会ショーケース事業出展」のうち、「グリーン万博」に出展し、次世代型のCO2回収装置の実証機を設置することを決定した。万博会場内の熱電供給システムの燃焼排ガスからCO2の回収実証を行い、回収したCO2は、会場内で、冷却用のドライアイスとして活用するほか、メタネーションの原料として他社に供給する予定。
今回設置する実証機は、戸田工業及び国立大学法人埼玉大学とともに、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金の補助事業として開発を進めているものとなる※2。エア・ウォーターでは本出展を通じて、サステナブルな会場運営に寄与するとともに、CO2回収・利用の普及を広く促進することで、脱炭素社会の推進に貢献する。
※1 未来社会ショーケース事業の概要:未来社会ショーケース事業は、大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会」を支える技術・サービスを、2025年以降の未来を感じさせる「実証」と2025年の万博にふさわしい「実装」の形で、「未来社会の実験場」となる万博会場の整備、運営、展示、催事などに活用し、国内外の幅広い参加者や来場者に、体験として提供する事業群の総称。未来社会ショーケース事業では、6つの領域「スマートモビリティ万博」、「デジタル万博」、「バーチャル万博」、「アート万博」、「グリーン万博」、「フューチャーライフ万博」を設定し、各事業について、現在、多くの企業・団体と出展にむけた協議を進めている。
※2 2022年7月7日 ニュースリリース:戸田工業と埼玉大学が開発する新規CO2固体回収材「Na-Fe系酸化物」を使用し、工場のボイラ等から排出される高温・低圧・低濃度のCO2を効率よく分離回収するプロセスを確立するとともに、エア・ウォーターのガス製造・エンジニアリング技術を用いて、中小規模のCO2回収装置の開発の取り組み。