レゾナック、ホテルの燃料電池向けに低炭素水素の正式供給を開始

使用エネルギーの約20%程度に該当する水素をパイプラインで供給

 レゾナックは、川崎事業所(神奈川県川崎市)で生産している低炭素水素を、2023年11月1日から川崎キングスカイフロント東急REIホテル(以下、東急REIホテル)へ正式に供給を開始した。使用済みプラスチック由来の低炭素水素による燃料電池の商業施設での利用は、国内初。

 11月14日にはホテルが位置するキングスカイフロント「殿町プロジェクト」のまちびらきセレモニーが開催され、参加者に対し東急REIホテル内でレゾナックの「川崎プラスチックリサイクル(KPR)」の紹介や、ホテルの燃料電池設備の見学などを行った。

東急REIホテルの燃料電池
東急REIホテルの燃料電池
「殿町プロジェクト」のまちびらきセレモニー
ホテルを見学するセレモニー参加者

 低炭素水素とは、生産過程のCO2排出量を最小限に抑えた水素のことで、レゾナックの低炭素水素は日本で唯一、家庭ゴミから出る使用済みプラスチックを原料としている。同社は2018年6月より東急REIホテルへ低炭素水素を供給してきたが、これは2015年にスタートした環境省の「地域連携・低炭素水素技術実証事業」での中での取り組みだった。2022年3月に当実証事業は終了し、東急REIホテルは燃料電池設備を新たなものに入れ替えるとともに、レゾナック製の低炭素水素を正式に使用開始した。同ホテルで使用するエネルギーの約20%程度に該当する水素をパイプラインで供給する。

 レゾナック川崎事業所では、使用済みプラスチックから水素を取り出す製造方法を2003年から導入している。この技術は、使用済みプラスチックを安定的に処理することで環境汚染を防止するとともに、リサイクルによりエネルギー源に再生することで、循環型社会の構築に貢献する。 

東急REIホテル内のKPR紹介コーナー
東急REIホテル内のKPR紹介コーナー