アジア太平洋地域初、Climeworks社のCO2回収装置をENEOSが導入
中央技術研究所内で大気中のCO2を回収し、合成燃料の一部へ有効利用
ENEOSは、大気中のCO2を回収する、Climeworks社製のCO2回収装置(Direct Air Capture、以下「DAC装置」)をアジア太平洋地域で初めて中央技術研究所内に導入し、2023年12月8日より実証試験を開始した。
経済産業省の「カーボンリサイクルロードマップ」に掲げられた2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、大気のCO2を回収し、合成燃料の原料の一部として有効利用する技術開発に取り組む。
今回の実証試験では、Climeworks社のDAC装置を導入することで、大気中に低濃度(約0.04%)で含まれるCO2を純度100%に近い状態で回収することや、回収したCO2を合成燃料の原料の一部として使用することについて検証を行う。また、四季がはっきりしており、気温の年較差※1が大きく、降水量が多く高温多湿となる日本固有の環境下でのDAC技術の実証試験を進めていく。
DAC装置・導入概要
- 所在地:神奈川県横浜市中区千鳥町8番地(ENEOS中央技術研究所)
- CO2回収量:約75kg/日
- 設置面積:7m×7m(49㎡)
- 施工:東洋エンジニアリング株式会社
Climeworks社概要
- 社名:Climeworks AG(スイス連邦)
- 設立:2009年
- 設立者:Dr. Jan Wurzbacher、Dr. Christoph Gebald
※1 一定の場所で1年間に観測された最高気温と最低気温の差
※2 引用:Beuttler C, Charles L and Wurzbacher J (2019) The Role of Direct Air Capture in Mitigation of Anthropogenic Greenhouse Gas Emissions. Front. Clim. 1:10. doi: 10.3389/fclim.2019.00010