岩谷産業と相馬ガス、国内初の水素混合 LP ガス導管供給の実証事業
福島県南相馬市内の集合住宅 80 戸を対象、NEDO 事業に採択
岩谷産業は、相馬ガスホールディングス株式会社(本社:福島県南相馬市、渋佐 寿彦 社長)、相馬ガス株式会社(本社:福島県南相馬市、今津 健充 社長)と共同で、水素混合 LP ガス導管供給の実証事業開始に向け、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/地域モデル構築技術開発」に応募し、採択された。事業テーマ名は「地域コミュニティのグリーン水素を利活用した水素混合 LP ガス事業」で、事業期間は2023 年度~2025 年度。
本実証事業は、2021~22 年度の調査*1で得られた結果をもとに、相馬ガスが供給している LP ガス事業エリアに、使用可能な割合で水素を混合させて導管供給する。南相馬市の全面的な支援を受け、供給先は南相馬市定住促進住宅(戸数:80 戸)とし、福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R、福島県浪江町)で製造された水素利用も検討する。
水素混合 LP ガスの供給は2025 年 1 月までに開始を予定し、助成事業期間は 2026 年 3 月までとなる。この事業での供給実績や得られた知見を通し、水素混合 LP ガス事業の他の国内エリアへの拡大に向けた検討を行う。
今回の実証事業は、一般住宅を対象とした民生向けに水素混合 LP ガスを導管で供給し、燃焼用ガスとして使用すること、また、既存の供給インフラ、ガス機器等を使用するという点で国内初の取り組み。
岩谷産業では、脱炭素社会の実現に向け、CO2 フリー水素サプライチェーン構築、廃プラスチック由来の水素製造やグリーン LP ガス製造など様々な検討を進めており、今回の事業はグリーン LP ガスの技術開発や 100%水素導管供給実現までの過渡期における CO2 排出削減策の 1 つとなる。
*1:NEDO 調査事業 実施期間:2021 年 12 月~2023 年 3 月
(水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/水素混合 LP ガスの供給利用に関する調査)