東邦ガスとSyncMOF、低コストCO2分離回収技術の確立で実証試験開始
温度差利用の「温度スイング方式」で電力消費量8割削減目指す
東邦ガスは、高性能な吸着材を用いた低コストなCO2分離回収技術の確立に向けた実証試験を開始した。CO2分離回収技術の「物理吸着法」の一種で、温度差を利用してCO2を分離回収する「温度スイング方式」のシステム評価・検証を行う。
SyncMOF株式会社(畠岡 潤一 代表取締役)と連携して製造した、高いCO2回収能力と耐久性が期待できる吸着材を使用。さらに、CO2分離回収に必要な高温を得るために、工場などの顧客先で発生する排ガスの熱(排熱)を利用することで、東邦ガスがこれまで取り組んできた他の方法※1に比べ、電力消費量を約8割削減※2することを目指す。
方法 | 化学吸収法 (吸収液を用いる方法) | 物理吸着法 (吸着材を用いる方法) | 膜分離法 (透過膜を用いる方法) | |
温度スイング方式 | 圧力スイング方式※3 | |||
特徴 | ・主な対象は大気や排ガス (発電所等の大規模施設) ・得られるCO2は高濃度 | ・主な対象は排ガス (ボイラや工業炉等の中~小規模のガス機器) ・得られるCO2は高~中濃度 | ・主な対象は排ガス (ボイラや工業炉等の小規模のガス機器) ・得られるCO2は中~低濃度 | |
東邦ガスの 取り組み | ・Cryo-DAC® (2021年1月25日発表) ・Cryo-Capture® (2022年5月13日発表) | ・本試験にて実施 | ・工場排ガス等を対象としたCO2分離回収技術 (2022年5月13日発表) | ・工場排ガス等を対象としたCO2分離回収技術 (2022年5月13日発表) |
※1 2022年5月13日に発表した「工場排ガス等を対象としたCO2分離回収技術」との比較。https://www.tohogas.co.jp/corporate-n/press/1225474_1342.html
※2 東邦ガス試算。
※3 圧力を利用してCO2を分離回収する方式。