岩谷産業、タイ・インドネシアで国内初の「フロンの回収・再生事業」を開始

「バンコクガスセンター」と「イワタニインダストリアルガスインドネシア会社」

 岩谷産業は、タイとインドネシアに冷媒工場をそれぞれ新設・増強し、2024 年 1 月から稼働した。また、両国において国内初となる冷媒の回収・再生事業も開始した。

 現在、タイ・インドネシアにおいて、空調機器の廃棄時やメンテナンス時の充填済み冷媒は、大気放出もしくは無害化するために破壊処理されている。しかし、キガリ改正による代替フロンの規制強化を受け、国際的に冷媒の生産量および消費量を削減する取り組みが加速する中、両国を含む新興国を中心に空調・自動車メーカーからの再生冷媒需要が高まっていくことが予想され、岩谷産業は冷媒の充填・販売事業と、回収・再生事業を併せて実施、環境に配慮しながら冷媒の安定供給に努める。

冷媒事業のイメージ図
冷媒事業のイメージ図

※キガリ改正…地球温暖化対策の一環として、温暖化係数の高い HFC(代替フロン)の段階的削減を義務付けるモントリオール議定書の追加改正。

タイ:既存冷媒の置き換え需要が増加、既存事業とのシナジーも生かす

 タイは東南アジアで最大の冷媒市場であり、エアコン、冷蔵庫、自動車業界において地球温暖化係数の低い冷媒への需要が増加している。泰国岩谷会社※1 では、既存のバンコクガスセンターに新たに冷媒充填設備を設け、これまでの冷媒の輸入販売に加えて充填販売、冷媒の回収・再生事業を展開する。自動車メーカーからの環境配慮品ニーズに応えるだけでなく、空調メーカーとの既存事業とのシナジーを生かし、冷媒事業拡大を目指す。

インドネシア:急速な内需拡大、設備増強と取扱品目拡大

 インドネシアは、人口増加や所得水準の上昇に伴い冷媒を含む内需が拡大していることに加え現地生産化が急速に拡大している。イワタニインダストリアルガスインドネシア会社※2では、既に冷媒の充填・販売事業を実施しているが、今後の需要拡大に備えガス充填設備を増強すると共に、新たに冷媒の回収・再生事業も開始することで取扱品目を拡大する。

※1,2…泰国岩谷会社、イワタニインダストリアルガスインドネシア会社はいずれも岩谷産業株式会社の 100%子会社。

岩谷産業グループの冷媒事業の特徴

  • 様々なガス種、容器サイズに対応した充填が可能
  • 移充填後の分析表発行など、 自社工場での徹底した品質管理
  • 再生冷媒など顧客ニーズに合わせた各種冷媒の提案が可能
フロン再生装置
工場バンコクガスセンター イワタニインダストリアルガス
インドネシア会社
運営泰国岩谷会社イワタニインダストリアルガス
インドネシア会社
工場住所Samutsakorn Industrial Estate 1/68
Moo 2, Tambol Thasai, Amphur Muang,
Samutsakorn,74000
Kawasan Industri KIIC Lot A-12, Teluk
Jambe, Karawang, 41361, Indonesia
代表者大島 寛 清水 友康
生産能力充填設備 2,000t/年
再生品 150t/年
充填設備 2,000t/年
再生品 300t/年
稼働開始日 2024 年 1 月 2024 年 1 月
冷媒事業の工場概要