東京ガスと住友商事がCO2直接回収・貯留の事業可能性調査で覚書
ネガティブエミッション技術によるカーボンニュートラルの推進
東京ガスと住友商事は2024年3月14日、大気中のCO2直接回収・貯留(以下、DACCS(※1))について、事業可能性調査の共同実施に関する覚書を締結した。
本調査では、東京ガスの有するDAC技術やプラントエンジニアリングの知見・ノウハウと、住友商事がグローバルに展開するCCSを含めた、次世代エネルギービジネスに関するネットワーク・知見をかけ合わせることで、北米をはじめとした貯留適地の選定や国内外のDAC技術評価を行うなど、共同でDACCSの事業可能性検討を推進し、将来に向けた共同事業の創出を目指す。
IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)などの試算では、カーボンニュートラルを実現するためには、DACCSなどのネガティブエミッション(※2)技術の活用により、2050年に年間で最大100 億トンのCO2除去が必要とされる。
日本においても、2023年に経済産業省が「ネガティブエミッション市場創出に向けた検討会」を設置し、国内外の技術開発やビジネス動向を整理・分析した上で、今後の方向性やルール形成等の市場創出に向けた方針の議論・検討を行うなど、近年ネガティブエミッション技術は国内外で注目を集めている。
また、ネガティブエミッション技術を活用して発行される世界のカーボンクレジット市場は、2022年の21億ドルから2030年には800億ドルまで成長することが予測(※3)されている。
東京ガスと住友商事は、2023年に大気中のCO2直接回収(以下「DAC(※4)」)技術を有する米国ベンチャー企業に出資(※5)するなど、早期からDAC技術の活用検討に取り組んできた。
※1)Direct Air Capture with Carbon Storageの略称
※2)大気中からCO2を除去する等により正味としてマイナスのCO2排出を実現すること
※3)Carbon removals: How to scale a new gigaton industry (2023年12月McKinsey 発表)
※4)Direct Air Captureの略称
※5)先進的DAC技術を有する米国グローバルサーモスタット社への出資および協業について(2023年1月19日東京ガス発表)
DAC技術開発のパイオニア企業への出資とCCUS分野での共同事業開発について(2023年5月30日住友商事発表)