エア・ウォーター・メディカル、シャント音を数値化する電子聴診器「HVSIモニタ」を販売開始

簡単操作で数秒で測定完了、聴診情報を客観的・定量的に測定可能

 エア・ウォーターグループで医療機器・介護用製品の開発・製造・販売・保守を行うエア・ウォーター・メディカルは、シャント音を数値化する電子聴診器「HVSIモニタ」を開発し、2024年5月上旬より販売を開始する。

電子聴診器「HVSIモニタ」
電子聴診器「HVSIモニタ」

 HVSIモニタは、人工透析の際 に十分な血液量を確保するために作製する患者の動脈と静脈を直接つなぎ合わせた「シャント血管」で生じる音である「シャント音」を、内蔵したアルゴリズムを用いて数値化する医療機器。これまで医療従事者が聴診器を用いて聴いていたシャント音を簡単な操作かつ数秒で客観的な指標として測定が可能となる。シャント血管の狭窄・悪化といった異常の早期発見に寄与することで、患者の心身の苦痛軽減につなげるとともに、関係者間の的確な情報共有を実現し、日々の透析管理をサポートする。

※Hemodialysis Vascular Sound Index:シャント音の「単位時間当たりの特定周波数成分のエネルギー値」を数値化(0~999)したもの

 エア・ウォーターのヘルス&セーフティー(医療関連)事業は、医療用酸素のリーディングカンパニーとして医療用ガスの供給とともに、医療機関や介護施設、患者の自宅などで使用される医療機器や介護用製品といった関連事業を拡大してきた。

 2023年7月にはヘルス&セーフティーグループ内にヘルスケア開発センターを設置するとともに、エア・ウォーター・メディカルを中核会社として、医療機器・介護用製品の開発・製造・販売・保守の一貫体制を構築するなど、医療事業を再編した。人々の健康増進、医療従事者の負担軽減、患者のQOL(生活の質)向上につながるとともに、使いやすさ・省力化・DX推進など医療現場のさまざまなニーズをこれまで以上に的確に捉えた製品開発に注力する。

 「HVSIモニタ」は、エア・ウォーター・メディカルが2023年の事業再編後、同社として新たに開発した初の医療機器。エア・ウォーターのヘルスケア開発センターが有する音の技術を活用し、聴診器本体に音響解析機能を搭載することで、シャント音を数値化した。これまで主観的・定性的であった聴診情報を客観的・定量的に測定可能にすることで、遠隔・在宅医療体制の充実にもつなげる。

製品の特長

(1)簡単操作

 HVSIの取得はたった2つのステップ。電源/測定ボタンをON、吻合部に当ててボタンをプッシュすると、数秒で測定完了。

電子聴診器「HVSIモニタ」

(2)コンパクト×シンプル

 片手で握りやすい軽量設計を実現。重さは、わずか80gでポケットにもスッポリ入る。

電子聴診器「HVSIモニタ」

(3)的確な情報共有

 HVSIという数値での情報共有が可能になる。透析施設などで測定されたHVSIを離れた場所にも的確に情報共有。

電子聴診器「HVSIモニタ」

製品の仕様

  1. 名称:HVSIモニタ(一般的名称:電子聴診器、型番:MSS-VS11)
  2. クラス分類:管理医療機器(クラスⅡ)
  3. 類別:機械器具13聴診器
  4. 医療機器承認番号:30500BZX00289000
  5. 寸法・重量:45.5mm(幅)×132.9mm(高さ)×46.5mm(奥行)/約80g(電池含む)