北見工業大学 地域循環共生研究推進センターとエア・ウォーターが連携協定締結

「住宅におけるカーボンリサイクル技術実証」

 エア・ウォーターと北見工業大学地域循環共生研究推進センターは、2024年3月25日、「住宅におけるカーボンリサイクル技術実証」に関する協定を締結した。この協定に基づき、双方はバイオエネルギーや水素等の再生可能エネルギー分野で技術創出や社会実証を進め、地域社会や地球環境への貢献を目指す。

実験住宅におけるカーボンニュートラルエネルギーの利用イメージ
実験住宅におけるカーボンニュートラルエネルギーの利用イメージ

 間伐材、食品残渣、家畜ふん尿などの生物由来の資源を原料として得られるバイオエネルギーや、燃やしてもCO2を排出しない水素は、持続可能なエネルギー源として注目を集めている。北見工業大学は、こうしたカーボンニュートラルなエネルギー活用に向けた研究を盛んに行っており、その技術を住宅や暮らしへ応用するための実証実験住宅を建設した。一方、エア・ウォーターは、かねてよりエネルギー供給事業を展開する北海道を中心に、バイオエネルギーや低炭素水素の開発・製造を進めており、地産地消型のカーボンニュートラルエネルギーを供給するビジネスモデルの構築に取り組んでいる。

 本協定を機に、相互のカーボンニュートラル関連技術や人的資源などを組み合わせ、イノベーションを創出する研究開発を推進するとともに、新たな技術や解決策の創出を目指す。

連携協定の内容

開発テーマ

 寒冷な気候で広い土地を有し、農業・畜産業が盛んな北海道の地域特性を踏まえ、「住宅におけるカーボンリサイクル技術の実証」において、新たな技術やプロセスの開発、効率性の向上、実用化に向けた研究を行う。

協力事項

  1. バイオメタンガス、水素等の再生可能エネルギー創出技術に関すること 
  2. 再生可能エネルギーの供給及び社会実証に関すること
  3. 寒冷地における防災・減災対策への応用に関すること

体制

  • 北見工業大学:地域循環共生研究推進センター 
  • エア・ウォーター:エネルギーソリューショングループ グリーンイノベーションユニット

期間

 2024年3月25日~2025年3月31日

今後の取り組み内容

  • 未利用のエネルギー(牛舎、温泉等のメタン・二酸化炭素)を原料に、北見工業大学が保有するガス回収・変換技術を用いて「水素」「アルコール」や「合成燃料」を精製
  • これらを利用した燃料電池や発電機(産業用エンジン)から発生する電気と熱で、照明や空調などの家庭内で使用する電気を賄う
  • さらに、自動車などの輸送機器を蓄電システムやガスの貯槽として、蓄電池等と併せて活用することで、災害時に備えたエネルギーシステムを構築する
  • 北見工業大学は、これら根幹技術の性能向上、並びに住宅にとって最適なエネルギーマネジメントシステムの構築をシミュレーション解析によって解明
  • エア・ウォーターは、これらシステムの社会実装部分を担い、今後の脱炭素住宅モデル構築に貢献する