東京高圧山崎 2024年5月期通期連結決算

営業利益・経常利益・純利益とも直近予想から上振れ

 東京高圧山崎の2024年5月期通期連結決算は、売上高119億8100万円(前年同期比1.7%減)、営業利益4億0400万円(同1.0%増)、経常利益4億0500万円(同3.4%増)、親会社株主に帰属する純利益2億6300万円(同142.1%増)だった。

 売上高は販売先の在庫調整により溶接材料、特機製品等の販売量が減少したため、直近の業績予想を2億1600万円下回ったが、原材料価格やエネルギーコストの上昇による販売価格の是正と経費の節減により、営業利益(直近の業績予想比1億1500万円増)・経常利益(同1億2700万円増)・親会社に帰属する当期純利益(同1億0400万円増)は業績予想値を上回った。未定としていた当期配当金は、1株あたり60円(前期比10円増配)とした。

セグメント別業績

(産業ガス・溶材機材事業)

 売上高は87億1954万4千円(前年同期比0.0%増)、セグメント利益は3億2976万3千円(同4.9%減)。

 産業ガスは全般的に需要が減少したが、原材料価格、エネルギーコスト上昇による販売価格の是正により、売上・収益ともに増加した。溶材機材は、設備工事関連及び機材の受注が堅調に推移したが、溶接材料の販売量が減少し売上・収益ともに苦戦した。

(ファイン製品事業)

 売上高は32億3335万9千円(前年同期比6.1%減)、セグメント利益は6510万8千円(同52.0%増)。

 化学品は、ウクライナ情勢の長期化の影響で無水ホウ酸の売上高が減少したが、PE、PP樹脂の受注が堅調に推移したことにより、売上・収益ともに増加した。
 化成品は、造船向け不採算工事から撤退したことにより売上高が減少したが、ウレタン断熱パネル工事の受注の増加により収益が改善。また、フロン代替用スーパーガス(HFO)の販売が計画通り推移したことに加え、グリシン等の食品添加剤や建設用塗料等が堅調であったことにより、収益は増加した。
 特機製品は、主力のマスフローコントローラの販売が半導体の調整局面が継続したため売上高は低迷したが、大型希ガス回収精製装置等の受注により収益は増加した。
 建設用塗料及び塗材は、大型現場は堅調に推移したが、業務提携品である戸建住宅向け塗料が低調であったことにより、売上・収益ともに減少。

(その他)

 不動産事業等は、売上高2877万7千円(前年同期比3.4%減)、セグメント利益は1002万4千円(前年同期比12.4%減)。

今後の見通し

 2025年5月期の通期連結業績予想は、売上高123億5700万円(前年同期比3.1%増)、営業利益3億2000万円(同20.9%減)、経常利益3億0300万円(同25.1%減)、親会社株主に帰属する純利益1億8100万円(同30.9%減)を見込む。年間配当を予定するが、配当金予想については現時点で未定。