JFEスチールと日本水素エネルギーが、扇島の土地(約21ha)の賃貸借契約を締結

「液化水素サプライチェーンの商用化実証」の水素受け入れ地として選択

 JFEホールディングス(以下、JFE)、JFEスチール(以下、JFEスチール)と日本水素エネルギーは、日本水素エネルギーの実施する「液化水素サプライチェーンの商用化実証」を目的に、JFEスチール東日本製鉄所(京浜地区)扇島の土地(約21ha)を賃貸借することで合意した。

JFEスチール東日本製鉄所(京浜地区)扇島の土地

 JFEは、JFEスチール東日本製鉄所(京浜地区)の高炉等上工程休止後の土地活用について、川崎市との間で相互の協力に関する協定(2021年2月1日付)や扇島地区先導エリアの整備推進に関する協定(2024年5月28日付)を締結し、日本のカーボンニュートラルを先導するなど、地域・社会の持続的な発展および国の重点課題の解決に資する土地利用転換に取り組んでいる。

 川崎市の土地利用方針において先導的なプロジェクトに位置付けられている本実証を受け入れることが、扇島の土地利用転換の第一歩となる。JFEは、市と連携して、実証開始に向けて道路・交通アクセスや液化水素運搬船の受け入れ環境の整備を推進していく考え。

 日本水素エネルギーは、2021年8月に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO)のグリーンイノベーション基金事業に採択された「液化水素サプライチェーンの商用化実証*1」に取り組んでおり、2030年代の国際水素サプライチェーンの商用運転に向け、本実証では大規模な液化水素の海上輸送技術の確立を目指す。本実証を進めるにあたり、扇島地区は日本有数の工業地帯である京浜工業地帯に属し、水素需要のポテンシャルが見込めることから、本実証の液化水素受け入れ地として選択した。

 今回、対象土地を所有するJFEスチールと日本水素エネルギーとの間で、土地賃貸借の予約契約を締結した。JFEスチールは対象地の既存建物の撤去等を速やかに実施し、その後、日本水素エネルギーが、本実証の設備建設を開始する予定。日本水素エネルギーは2028年度の設備建設完了、2029年度の液化水素運搬船入港、2030年度の本実証完了、および同年度中の日本国内への水素供給開始に向け取り組みを進める。

契約締結の様子(写真左から、JFEスチール㈱ 広瀬政之代表取締役社長、日本水素エネルギー㈱ 原田英一代表取締役社長)

 3社は、本契約を通じて扇島を起点に日本の水素社会の実現を先導し、地域・社会の持続的発展、カーボンニュートラルの実現に貢献するとしている。

*1「液化水素サプライチェーンの商用化実証」
事業期間:2021年度~2030年度(予定)
事業概要:https://green-innovation.nedo.go.jp/project/hydrogen-supply-chain/