日機装 2024年12月期第2四半期連結決算

米国子会社 Clean Energy & Industrial Gas グループ、想定より生産・出荷が進捗

 日機装の2024年12月期第2四半期連結決算(IFRS)は、売上収益1026億7600万円(前年同期比17.7%増)、営業利益27億3600万円(前年同期は2600万円の利益)、親会社株主に帰属する中間利益59億5200万円(同53.7%増)だった。

 航空宇宙事業およびメディカル事業は概ね想定通りに推移、インダストリアル事業については主力の米国子会社 Clean Energy & Industrial Gas グループ(CE&IG グループ)が当初想定より生産・出荷が進捗した。この結果、全体の営業利益は約 27 億円となり直近の業績予想6億円を大きく上回った。また、円安の進行に伴う為替差益の増加により税引前中間利益、親会社の所有者に帰属する中間利益も業績予想を大幅に上回った。

 通期の連結業績予想を修正し、営業利益は当第2四半期に計上した一過性の損失分相当として前回予想比20億円減となる70億円とした。一方、足元では為替相場の変動リスクが大きく見通しが立ちにくい環境にあるため、当期末時点の為替レートは、当第2四半期末時点の為替レートと同一となる前提で算定し、為替差益の増加影響により税引前利益107億円(前回予想比16億円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は88億円(前回予想から26憶円増)を見込む。年間配当金予想に変更はない。

 当上半期において当初計画を大きく上回ったCE&IG グループは、下半期に経費の増加を見込むものの、LNG・産業ガス関連事業の既受注案件の着実な遂行により、通期業績予想では当初計画並みの利益確保を見込む。

日機装技術研究所内に水素・アンモニアなど次世代エネルギー対応ポンプの新研究棟建設

 また、日機装は研究開発拠点である日機装技術研究所(東京都東村山市)内に、新研究棟を建設することを決定したと2024年8月14日付で発表した。総工費は約 124 億円で、2027 年5月に竣工予定。

日機装技術研究所(東村山)に新研究棟を建設
新研究棟 外観イメージ

 新研究棟では、CAEを活用しながら、水素、アンモニアなどの次世代エネルギーに対応するポンプや、生産自動化、コンポジット(複合材料)等に関する研究開発を行う。大型のポンプやコンポジットの実験や試作が可能な大型実験試作エリアや高度な機器を備えた評価試験エリア、顧客の研究段階からの共創により製品開発を行うためのエリアを執務エリアに隣接して設置し、アイデアをすぐに形にする試作、検証が可能な環境を構築する。また、先に稼働中のメディカル技術センターと新研究棟を連結し、技術者が互いの知識を共有する場を設けるなど、技術者同士の交流を支援する環境を整備し、事業部間のコラボレーションを推進する。さらに、日機装が持つ技術を発信し、他企業や大学等の研究機関との連携を加速させる場を設け、人材の育成やイノベーティブな製品の創出、新しいビジネスモデルの創造に取り組む。

※CAE(Computer Aided Engineering)とは、トライ&エラーを繰り返していた従来の実験プロセスを、コンピュータ上でのシミュレーションに置き換える技術のこと。