窒素パージ機能や水素対応遮断弁を搭載した水素燃焼式パッケージバーナの販売開始

食品加工、液加熱、乾燥、非鉄金属の熱処理など熱分野の脱炭素化に貢献

　東京ガス、東京ガスエンジニアリングソリューションズ（TGES）、株式会社加藤鉄工バーナー製作所（加藤雅彦社長）は、水素燃焼式のパッケージバーナ^*1を共同開発し、販売を開始した。

　本製品は、窒素パージ機能や水素対応遮断弁を搭載した水素燃焼の安全対策を含めてパッケージした、100℃以下から500℃程度まで幅広い温度に対応するパッケージバーナ。天然ガス仕様のものと同様に食品加工、液加熱^*2、乾燥、非鉄金属の熱処理等、さまざまな加熱設備の熱源として活用することが可能となる。水素専焼を実現した本製品は、燃焼時のCO₂排出量をゼロにすることで、これらの設備の脱炭素化に貢献する。

　水素は、脱炭素社会実現に向けた有望な選択肢である一方、都市ガスと比べて燃焼速度が速く、火炎温度も高い等の特徴がある。水素燃焼式のバーナ開発における、部品の赤熱^*3、NOxの排出増加等の課題に対し、3社が保有する燃焼技術を活用し、バーナ内部の保炎機構^*4、ノズル形状の最適化を行ったことで、高温になり過ぎることを防ぎ、天然ガス仕様と同程度の低NOx化を実現した。また、点火・消火時の水素配管の窒素パージ機能を組み込み、点火・消火時の逆火を防止する安全設計を行ったほか、天然ガス仕様と同様のコンパクト性も実現している。

*1：燃焼空気ブロアやガス遮断弁などの制御機器まで含めてパッケージ化したバーナ、食品加工から非鉄金属まで幅広い温度帯に対応。
*2：煙道等の設備改造が必要な場合がある。
*3：バーナ本体が高温になり赤く熱を帯びること、高温になり過ぎるとバーナの損傷につながる可能性が有る。
*4：火炎を安定させる構造・機能。
*5：東京ガス試験炉での数値。