大阪ガスリキッド、陸上養殖向け酸素曝気装置 「OXSERVE(オキサーブ)」の販売開始
マイクロバブル発生ノズル採用で効率的に溶存酸素濃度を上昇
大阪ガスリキッドは、近畿大学水産研究所(和歌山県白浜町、以下「近大水産研究所」)の協力のもと、マイクロバブル発生ノズル*1を使用した陸上養殖向け酸素曝気*2装置「OXSERVE(オキサーブ)*3」(以下、「OXSERVE」)を開発し、2024年8月1日(木)から販売を開始した。2024年8月21日(水)~23日(金)には、東京ビッグサイトで開催された「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」*4の国際水産養殖技術展に出展し、酸素PSAを内蔵した供給装置と溶存酸素計(DO計)、循環ポンプ、マイクロバブル発生ノズル一式で構成される「OXSERVE」のパッケージシステムの紹介を行った。
大阪ガスリキッドは、これまで産業ガス関連商材の一つとして直径10~500μmの微細気泡を発生するマイクロバブル発生ノズルの開発・販売を行い、液体に溶けやすく泡が壊れにくいマイクロバブルを利用した温浴施設の炭酸泉発生ユニットなどに応用されている。今回、このマイクロバブル発生ノズルの特性を利用して、陸上養殖向けに効率的に溶存酸素濃度を上昇させることに成功した。近大水産研究所との研究では、本ノズルを用いて酸素を曝気することで、溶存酸素濃度をより早く高めることができることを検証。給餌時の溶存酸素濃度低下に酸素を素早く供給することで従来よりも給餌量を増加でき、餌の摂取量が増えて養殖魚の成育促進につながることや、魚へのストレスを減らすことで生残率が向上することを確認した。また、現在、ヒラメを使った超高密度養殖の実証試験を行っており、順調に成育が進んでいる。
OXSERVEは、マイクロバブル発生ノズルと酸素発生装置(PSA)、溶存酸素計(DO計)、循環ポンプ等をパッケージ化したオールインワンの装置で、設定した希望の溶存酸素濃度値を維持することができるため、魚種に合わせた最適溶存酸素濃度に制御ができる点を特長とする。また、酸素発生装置により酸素供給を行うため、ボンベによる酸素供給に比べてランニングコストの削減が可能、さらに溶存酸素濃度や酸素流量、水温のトレンドグラフをパソコンやダブレット、スマートフォンで確認し、水槽の状況を遠隔から監視できる通信機能もオプションで用意した。溶存酸素濃度の異常をメールで送信する機能もあり、現場から離れた場所でも不具合を早期に発見することができる。
OXSERVEの製品仕様は、酸素発生流量(最大)3L/min、酸素濃度90%以上、酸素吐出圧力0.1MPa。酸素発生部の外形寸法は400W×480D×740H(mm)とコンパクトで、電源(酸素発生部、循環ポンプ共)はAC100Vのため、水槽の近傍に簡単に設置でき、既存サイトに即導入が可能としている。対応水槽容積の目安は、通常飼育が50t、高密度飼育が10t。
*1:マイクロバブル発生ノズル 製品紹介ページ
https://www.liquidgas.co.jp/product/microbubble.html
*2:酸素曝気とは、液体に酸素を送り込むこと
*3:OXSERVE 製品紹介ページ
https://www.liquidgas.co.jp/product/oxserve.html
*4:水産業界の企業が集まり、最新の製品や技術を展示する展示会。詳しくは以下HPで紹介
https://seafoodshow-japan.com/tokyo/