CE&IGグループがLNG燃料船向け再液化システムで仏GTT社と提携

ボイルオフガスを抑制しGHG排出削減に貢献

 日機装は、連結子会社グループであるClean Energy & Industrial Gasesグループ(本社:米カリフォルニア州 テメキュラ、以下「CE&IGグループ」)が、LNG燃料船向け再液化システムに関して、仏GTT社と提携したと発表した。CE&IGグループのLNG燃料船向け高圧供給システムにGTT社の特許技術であるRecycool™システムを組み込むことで、効率改善および温室効果ガス(GHG)排出削減に貢献する。CE&IGグループとGTT社は、すでにLNG燃料船10隻分を受注している。

 GTT社は、燃料タンクが箱形のメンブレン型LNG船に強みを持つ、タンクエンジニアリング会社。GTT社の特許技術であるRecycool™は、燃料タンクのLNGが気化して発生するボイルオフガス(BOG)を冷却して再液化するシステムで、BOGを再液化することで、LNGの不要な排出を抑えてGHGの排出量を削減する。

 CE&IGグループは、LNGを燃料タンクからエンジンへ供給するためのポンプなどを組み合わせた燃料高圧供給システムを設計/製造/販売する。本システムで得られる冷熱を、Recycool™の冷却に利用することで再液化システムの運用を効率化する。

 CE&IGグループのエイドリアン・リッジCEOは、「GTTとのパートナーシップは、LNG燃料船市場における両社の成長を前進させます。この提携が優れたものであることは、LNG燃料船10隻の最初の大型受注が証明しており、今後もさらなる受注が期待されます」とコメントした。

 GTTのジャン・バティスト・ショイメCEOは「まずNikkisoチームの支援と協力に感謝したいです。Recycool™はBOGを抑制し、カーボンフットプリントを低減するための効果的なソリューションをLNG燃料船に提供しています。中国と韓国の大手造船所がRecycool™を採用したことは、業界の信頼を反映しています」と述べた。

 なお、Recycool™は、一般財団法人日本海事協会(ClassNK)から、この種のシステムとしては世界初の基本設計承認(AiP)を2023年3月に取得している。

CE&IGグループについて

 CE&IG グループは、クリーンエネルギーおよび産業ガス市場向けに極低温機器、技術、アプリケーションを提供するリーディングカンパニー。世界22カ国に1,600以上の従業員を擁しており、当グループを統括するCryogenic Industries, Incは日機装の完全子会社。

 70年以上前から極低温ポンプの製造を手掛けており、LNG・水素・産業ガスなど極低温流体の取り扱い技術に優れる。現在では、LNG・水素・産業ガスの各分野において、ポンプや熱交換器の供給に加え、EPC(設計・調達・建設)を含めた極低温のポンプ関連設備・プラントを⼀括提供できるソリューション企業として⽶国を中⼼にグローバルに事業拡⼤してきた。URL:https://www.nikkisoceig.com/

日機装について

 日機装は1953年の創業以来、 世界初・日本初の技術や製品によって、時代の変化を先取りしながら社会課題の解決に貢献してきた。インダストリアル事業では、エネルギー分野における製品、メディカル事業では血液透析関連製品、航空宇宙事業ではCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製航空機部品などを開発することで新たな市場を創出している。

  • 会社名:日機装株式会社
  • 本社所在地:東京都渋谷区恵比寿4丁目20番3号恵比寿ガーデンプレイスタワー22階
  • 創業:1953年12月26日
  • 代表者:代表取締役社長 甲斐 敏彦
  • 事業内容:産業用特殊ポンプ・システム、医療機器、航空機部品等の製造・販売
  • URL:https://www.nikkiso.co.jp/