大陽日酸北海道、2024年11月1日出荷分から液化炭酸ガス価格を値上げ

製鉄所の休風増加で原料炭酸ガス供給量低下

 大陽日酸北海道は2024年11月1日出荷分から、液化炭酸ガス(ローリー、LGC、シリンダー)と溶接用シールドガス「サンアーク」の価格改定を行う。液化炭酸ガスが現行価格に対し+10% 以上、サンアークが現行価格に対し+1% 以上の値上げとなる。

 液化炭酸ガスは、全国的に化学プラント、石油精製工場の統廃合、及び製鉄所の再編などの影響による原料供給拠点の減少、並びに国内需要減少に伴う稼働率低下により原料炭酸ガスが減少し、逼迫する状況が続く。北海道においても、コロナ禍以降、原料炭酸ガス供給元である室蘭地区の製鉄所の粗鋼生産量の減少に伴い、高炉の生産調整休風が依然、頻発する状況が続いている。

 こうした状況下、大陽日酸北海道では、同製鉄所からの休風増加に伴う原料炭酸ガス供給量低下により、液化炭酸ガスの減産を強いられている状況となっており、製品コストのさらなる悪化を招いている。また、上記休風増加に伴い原料炭酸ガス製造工場操業に関わるあらゆる費用の負担増加を受けているとしている。

 大陽日酸北海道では、2024年4月出荷分から各種高圧ガスの値上げを実施したが、コストの増加を自社の企業努力で吸収する事は困難と判断、「安定供給を継続するためにも、下期にも液化炭酸ガスの価格を改定させていただきたく、何卒ご了承賜ります様宜しくお願い申し上げます」とコメントしている。